【バイオレンス・レイク】バイオレンススリラー【ネタバレあり】

劣悪な少年犯罪をその場で体感する、まさに殺人VR

こちらの記事は2013・3・11のものに加筆しています。

本作を鑑賞した2013年当時はTSUTAYAで取り扱いがなく、ゲオ宅配でようやく鑑賞することができました。ちなみに2024・9・27現在も、ゲオ宅配(強い)とTSUTAYAでは取り扱っている店舗もあるようです。そしてやはり配信にはなさそうです。ただ、こちらもヤバいでお馴染み『エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウイルス』が、なんとU-NEXTとアマゾンプライムビデオの見放題にやってきたのでwもしかしたらいつか可能性があるかもしれません。

作品データ

【製作年度】2008年
【製作国】イギリス
【上映時間】88分
【監督】ジェームズ・ワトキンス
【キャスト】マイケル・ファスベンダー、ケリー・ライリー ほか
【鑑賞方法】TSUTAYAレンタル、ゲオ宅配レンタル(ゲオの店頭は取扱いなさそうです)鑑賞時にご確認ください

あらすじ

美しい湖“エデン・レイク”を訪れたジェニーとスティーブ。だが、そこへ大音量で音楽を鳴らながら少年たちがやってきた。つばを吐き悪態をつく少年にスティーブが注意したことから、少年たちは徐々にその凶暴性を露わにする。(allcinemaより)

年齢制限は?

調べても、日本でR指定がかかっているような情報が出てこないのですが…まさかこれだけの内容で何もついてないってことある(笑)!?

レビュー

1、鑑賞から10年以上経った今も、正直これを超える胸くそは少ない…

当時、不条理モノでよく挙がっていた『ファニーゲーム』や、少年犯罪を描いた『隣の家の少女』なんかも衝撃を受けましたが、私は本作のほうがはるかにキツかったです…。…見て納得…こんなにもエグい作品だったとは(没)。不快感と嫌悪感と怒りで、久々に鑑賞後に具合が悪くなりました。鑑賞などという生ぬるいものではなく、私が被害を受けました(←?)

以降10年間の間にも、胸くそハンターである私は様々なこのテの作品を見てはいたのですが、これを超えるものはなかなかないなぁと思っていた……ら!今年、コレに匹敵するかな!?という作品が登場…。北欧スリラーである『胸騒ぎ』です。こちらも正直、思い出したくないですw

どちらの作品にも言えることは、自分がいつこういう出来事に巻き込まれてもおかしくないという極めて現実的な恐怖という点です。この状況が、容易に!想像できるんです。やはりこういった身近に起こりそうな恐怖に勝てるものはないです。

本作には、それだけはやっちゃいかんだろ…が含まれています。

こちらは現在、U-NEXTとアマゾンプライムビデオで880円というややお高めの値段で配信されているので、まだ未見の胸くそハンターの皆さんはぜひ鑑賞してみてくださいw(こちらも近々レビューする予定です)

2、些細な始まりから、壮絶な惨劇へのジャンプが凄い

嗚呼、この時に時間を戻してください…

湖で楽しい週末を迎えるハズだった、スティーブとジェニー。そこへ、大音量で音楽をかけツバを吐いたりとマナーの悪い少年たちがやって来る。きっかけはそんな彼らにスティーブが注意をするという本当に些細なことだった。そしてそこから、想像を絶す恐怖が始まるのだった-。まぁ私だったら、スティーブを全力で!止めますけどね(揉め事は大嫌いw)

最初は正直『…こんな子供たちが相手?緊迫感なんて出るの?』なんて思っていたのですが、後半から一気にカラーが変わる緊張感と怒涛の展開にはビックリ。ありがちな殺人鬼モノでもちょっと出せないです、この空気感…。

なんといっても恐ろしいのは、殺人鬼や化け物などではない見た目も極めて普通の少年たち。まだあどけないはずの少年たちが集団になると見せる残忍さは、もはや底を知らない…。しかも1人は女の子という。

作りものなどではない劣悪な少年犯罪を、その場で自分も傍観しているほぼ『殺人VR』です。

3、あっさりと想像のラインを超えてくる、凄惨な描写の数々…

上の小屋には彼らが!スティーブ…限界です(涙)

そしていくらなんでもそこまではしないだろうというラインをあっさりと超えてきます。彼らはいわゆる殺人鬼というワケではないので、いたぶる、タメるということもなく見事にド直球なんですよね。

描写も想像以上にエグく、本来なら画面が切り替わりそうなところで…切り替わらねぇwwwスティーブが少年たちに代わる代わるナイフで斬りつけられ、また刺されるシーンはもうたまりませんでした(ほんとうにむり)。湧き出る血もドス黒くリアル…ヤメテ。しかも恐ろしさで声を上げることができず、その現場を陰ながら見守るしかできないジェニー…(没没没)。

もうここまで来ると『…なんで!?一体なんでここまでされなきゃいけないの!?』という不条理さに本当に!腹が立ちました。

4、映画史でも稀に見る、悲劇の2段オチ

そして、ようやく!助けを求め乗った車は…少年たちの1人の兄だったという(オネガイヤメテ)。

そして今度こそ!ようやく!!…車を奪い助けを求めた家は、少年たちの家族の家だったという(ヤメロッツッテンダロ!)

となると…おわかりいただけただろうか。結局ジェニーは少年の父親に『隠ぺい』されて終わるという、究極のバッドエンド…。未だかつて見たことのない、最低最悪の2段オチ。

森の中で、血まみれ生ゴミ(というよりもはや肥溜め)まみれで逃げまどうも、何ひとつ報われず、何ひとつスッキリせず、何ひとつ正義が勝利しない!という、究極の不条理…。

ただ湖に行っただけなのに、この仕打ち…(嗚咽)

しかしながら、ホラーではこれが『正解』………大正解なんですよぉおお!!!涙

実は冒頭、湖へ向かう車の中のラジオから流れていたのは、犯罪を犯す子供たちの親にも刑罰を与えるべきか否かという議論。これがラストの結末の伏線にもなっていたのですね。

ジェニーは少年の1人を殺してしまうのですが、もちろんそれは命の危険が迫っていたわけで、先に手を出して(というかナイフだし)きたのは少年たち。しかしそんなジェニーの話に全く聞く耳を持たず『あんな子供になんてことをするの…!?』と号泣する母親には怒りを通り越し、怖ろしくさえ思いました。

…いやぁ、素直に面白かった!とはどうしても認めたくないし、すごく癪に触るのですが笑、やっぱり『ホラーとしては』傑作なんでしょう…ね…。現に私だって好き好んでこういう作品を見ているわけですし、でもなんというかここまでは欲していなかったというか(・ω・)やっぱり胸くそも、ちょうど良い塩梅というものがあるのかなぁなんて思いました(?)

ジャケットとタイトルからありがちなB級ホラーかと思われるかもしれませんが、描写も内容も要注意です。ホラー好きでまだ見ていない方はオススメします。

5、出演者たちのその後…

私の中での2人の代表作『バイオレンス・レイク』です

スティーブを演じたマイケル・ファスベンダーは、本作の後に『イングロリアス・バスターズ』に出演し『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』で有名になった感じですかね。私生活では『光をくれた人』で共演したアリシア・ヴィキャンデルと結婚しました。

そしてこちらも身体を張りまくった!ジェニー役のケリー・ライリーは、その後『シャーロック・ホームズ』シリーズや『フライト』ではヒロインを演じましたね。直近では『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』で久々に見かけましたが、私は本作でがんばったことを忘れないからね…(;ω;)

売れる前ってホラーの出演作も多かったりしますが、にしてもこれほどまでの(文字通り)汚れ役を演じている俳優さんたちってなかなかいないんじゃないでしょうか…。





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