
低評価多めの『アンティル・ドーン』…確かにそれもわかります。せっかく流行りのタイムループを扱ったのに、ストーリー性や謎解きはほぼなく(そもそもよく分からない)。…それなのに?私が楽しめた理由を正直にお届け!今回、映画に関することよりは?ただただ「私の好きなホラーの楽しみ方」やキャストのことなど、趣味全開で語ってます。同じ感覚の人ならば、楽しめる…かも?
作品データ
【製作年度】2025年
【製作国】アメリカ
【上映時間】103分
【監督】デヴィッド・F・サンドバーグ
【キャスト】エラ・ルービン、マイケル・チミノ ほか
あらすじ
PlayStation5/PC用の人気ゲーム「Until Dawn 惨劇の山荘」を実写映画化し、殺人鬼に惨殺されるタイムループに陥った若者たちの運命を描いたスラッシャーホラー。1年前に失踪した姉メラニーを捜すため、友人たちとともに山荘を訪れたクローバーは、突然現れた覆面の殺人鬼に殺されてしまう。しかしなぜか目を覚ますと、殺される前の時刻に戻っていた。(映画.comより)
年齢制限は?
R18指定なので、18以下の方はご覧になれません。
どこで見れる?
8月1日(金)より劇場公開中
レビュー ( 2025・08・03 )
1、監督&脚本家コンビが好き
元ネタはプレイステーションのゲームだそうですが、自身がプレイをするというよりは選択によってストーリーの結末が変わる、いわゆる「かまいたちの夜」方式のよう(古)。
ゲームにはループ設定もなく、映画は設定を借りただけの?ほぼ別モノらしいですね。ゲームの紹介映像を見てみたらこれがとても面白そうで、(おそらく)ゲームの方が面白いです。
…しかし、私的に本作に期待していた理由はなんと言っても!監督のデヴィッド・F・サンドバーグ。彼が監督を手がけた『ライト/オフ(16)』『アナベル 死霊人形の誕生(17)』どちらも大好き。
さらに、脚本のゲイリー・ドーベルマンは、前述した『アナベル 死霊人形の誕生』と『アナベル 死霊館の人形(14)』に加え、『ウィズイン/恐怖が潜む家(16)』というマイナーなホラーがかなり好きでして…。
”恐怖の正体”にリアルにビビる…

この作品、Filmarksの評価低いのですが…。前半は「家に”何か”がいる…」というありがちなホラーから、後半の怒涛の展開で一気に巻き返します。
”恐怖の正体”が明かされると、『…そっち!?』という驚き。”ある作品”とオチが似ているので、そちらを先に見ていると驚けないかも…?しかし、テンポも良く恐怖演出がやたらと怖い作品なので、サクッと見るにはちょうどよい拾いものホラー。
アマプラの課金で見ることができます◎
2、せっかくのタイムループホラーだが
「生き残るためのルール」
タイムループホラーの本作ですが、概要と「生き残るためのルール」をここでご紹介。
※ 人里離れた山荘が舞台となるのですが、夜明けを迎えるまで生き延びねばなりません。
ルール説明(公式サイトより)
- もし朝を迎える前に殺された場合、もう一度やり直しです。
- やり直すたびに新しい殺傷演出が追加され、恐怖が倍増/加速していく仕掛けです。
- サイコキラーから人喰いウェンディゴまで豊富なバリエーションをご用意。
- 死ぬたびに身体は弱っていきます。
- 命の回数は限られています。
- ドクター・ヒル氏を見逃さないでください。
「こんな方」には向いてません…
現在、Filmarksでは3.2と相当健闘?しているのですが、実際SNSなどでレビューを見てみても”否”が多いです。
…しかし、私はやっぱり!楽しめました。
でも、本作に関しては面白くないという意見もわかります。
というのも、上記のような”ルール説明”は一応あるのですが…
ゲームをプレイしたことのある方ならば、もう少し踏み込んだ考察もできるのかな?とも思ったのですが。実際にプレイした方のレビューを見るとそんなこともなさそうで、やはり酷評していましたw
実際、ルールの細部がかなりテキトーでよく分からない部分が多いので(汗)、考察系が好きな方やしっかりとしたストーリー性を求める方にはまず向きません。
この記事では、「じゃあ一体、何が面白かったんだ」に対する答えと、本作が「どんな人に向いているのか」を語ります。
3、面白かったところ【テイスト編】
テンポの良さ
テンポの良さは、ホラーではかなり重要な要素ですよね。
主人公・クローバーは、母親を亡くした上に、姉までもが1年前に行方不明に。そんな姉を探すため、友人の男女4人とある場所へとやってきます。
物語は、姉を探すために向かっている車中から始まるので無駄なオープニングパートはなし。
その後、一行はアクシデント的に山荘に着き、ここで5人は様々な恐怖対象から生き延びるため、何度も何度もタイムループを繰り返します。
しかもR18でグロ要素もしっかりあるので、眠くなったり、退屈するようなことはありません。
設定・雰囲気が好き
男女数名の若者が主人公のホラー映画も好きです。
『スクリーム』や『ラストサマー』のような90年代カラーがなんだか懐かしく、隔離された森の中での屋敷(観光案内所)が舞台というのもたまりません。
行方不明者のチラシ、謎の砂時計、宿泊者帳簿など、それこそゲームさながらの「日記はここで終わっている」系ホラーも大好き。
個人的には、ホラーに関して言えば設定が大好物ならば、他のジャンルよりも評価がかなり甘くなります。(なので、ホラーの評価は特に参考にしないでくださいw)
コメディ要素がない
これには賛否…というより、ほぼ”否”でしょうか。
以前から度々言っているのですが、コメディが基本的に苦手で…そこそこ有名なコメディ作品を見てもほぼハマらず。
あとは個人的な好みとして、シリアスが大好き、というのもあります。なので、本作が始まったときは「…よし、コメディ要素ない」と。
ただ、たまーにハマる作品もあって、
たとえば、同じくタイムループ・ホラーである『ハッピー・デス・デイ』シリーズ。
こちらはコメディ要素がありますが、他にも泣かせにくるドラマ要素・ホラー要素がうまいこと融合された、ある意味奇跡的なバランスだと思うんですよね。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』これも好きです。いかにも狙って笑わせようとしない、自然な流れの中での笑いは好き…。でもこういうコメディ映画って、少ない気がします。
ジャンプスケアが多い
この作品、ジャンプスケアが多いです…というより、ほぼそれで”持っている”と言ってもよいかと。苦手な方も多いですが、ホラーの醍醐味=ジャンプスケアという方もいると思うんですよね。
もちろん、違った要素で恐怖を演出するホラーも好きですが、「…ドーン!」「ババーン!」といった、お化け屋敷的ホラーも好きなので、ポップコーンムービーとしては最適かと。
なんだかんだ毎回ビビるし、気も引き締まるし?私としてはホラー映画の良いスパイスになっているとも。
4、面白かったところ【ストーリー編】
ループ1回ごとに楽しめた
そして、タイムループ作品とはいえ”13回まで”という限度があり、その都度ストーリーや恐怖対象も変わってきます。
これが毎回同じストーリーならば、「次はどうやって回避する!?」という思考パートや「…よし、今度はうまく行った!」という成功のプロセスに、カタルシスが生まれると思います。
しかし本作は恐怖対象が毎回変わるため、もうどうしようもない、まさに「無理ゲー」なんです。
ただ私は、毎回変わるストーリーが逆に新鮮で「次は何が来るのかな?」という殺され方バリエの楽しみも。
なので、ループして繰り返すエピソードを毎回楽しむことができました。
物語の前後の流れと全体的なストーリーの整合性を見ようとすると、確実に楽しめません。笑
逆に、タイムループ作品のちょっと苦手なところは、同じシーンを繰り返し見なければならないことだったりするほどw(まったく同じシーンは早送りしたくなる)
今どき、まさかのハッピーエンド
これは面白かったというより?意外だったことでもあるのですが、まさかの本作、昨今のホラー映画では珍しく、誰ひとり!死にません。
みんなで力を合わせて助かり、歩きながら帰る後ろ姿…という、なんとも微笑ましいラスト。
てっきりここで、”1人くらい爆発 or 全員爆発”くらいあると思っていたので 、意表を突かれました。でも逆に新鮮で、たまにはこんな清々しいホラー映画もアリかと。
最近の人体爆発映画といえば、やはり『レディ・オア・ノット』や『アビゲイル』ですよね。流行ってるんでしょうか(・ω・)
5、キャストが美男美女
主人公が美人

知ってる俳優さんはピーター・ストーメアしかいなかったですが。どうやら、ゲーム版のキャラデザや声の演出なんかも彼が務めているようですね。
そして、登場人物に美男美女がいたことは私的に目の保養でした。
主人公のクローバーを演じた女優さんが、アン・ハサウェイにも似たすごい美人。ホラー映画って、マイナーな作品でも、たまにとんでもない美人が出てきたりしますよね。
知的系”クズ”役の俳優がカッコいい
また、エイブを演じた俳優さんがめっちゃカッコ良かったこと。
ベルモント・カメリという俳優さんだそうですが、ダニエル・ゾヴァット(『イット・フォローズ』のグレッグ役)をもっと男らしくして、色気を足したようなルックス。
5人のメンバーの中では一応クズ担当なんですが、知的系クズ?といった雰囲気で、途中から(私的に)好感度を上げてきて、ラストでは仲間感がしっかり出ていて良かったです。
また驚いたのは、そこそこの失言をしたエイブに腹を立てた”彼女”が、彼の腹をすんごい勢いで突き刺して殺したことww いくら生き返るとはいえ、不意打ちすぎてここが1番ビックリしました。
でも、この”お仕置き”があったおかげで、エイブのクズ加減が相殺されて、真の仲間になったといっても過言ではないですよね(・ω・)
ー調べてみたら、Netflixの『君と一緒に過ごした夏』という作品に出演してました。

…って、この画像(左)と同じ人?………ええええ!!ヘアスタイルから雰囲気から、まったく!違うんですけど(・ω・)…同じ人?
これはこれでカッコいいけど…やっぱり黒髪のクズ役のほうがいい…。
6、結局、どんな人が向いてる?
ここまで、私が楽しめた理由を、個人的な観点でつらつら書いてきました。
結局、どんな人が本作に向いているのかは、もうお分かりかと思いますが…笑
上記のいずれかに当てはまる方は、配信(見放題)にでも来たら試しに見てみてください…笑。
「ゲームに入ってしまった」ホラーといえばコレ!

今でこそ、アニメでもこんな設定はあったりしますが、本作は2006年製作と今から20年ほど前のアメリカ映画。日本ではDVDスルーだったものの、全米では3位を記録。
車を走らせていると、そのままゲームの世界に繋がっているという地続きの世界観がもうたまらず…。個人的にはめちゃくちゃハマりました。今年、約20年ぶりに見返してみたら、当時ほどの衝撃はなかったもののやっぱり普通に楽しめました!
しかしお察しの通り?配信サービスにはないので、宅配 or 店頭レンタルしか手段はなさそうです…。私はここで借りました↓


