全方向にヤバいで有名な、昭和産のカルト映画
おそらくFilmarksの『似ている作品』で知ったはず。鑑賞したのは1年ほど前なのですが、とにかく全方向にヤバいということで有名な本作。もちろん配信にはなくゲオ宅配でレンタルしたのですが、借りるハードルも相当高かったです(記事作成時もレンタル中)。 そして私がこれまでに見てきた作品のなかでもトップクラスのアングラで、冷やかしが過ぎました(・ω・)
作品データ
【製作年度】1988年
【製作国】日本
【上映時間】150分
【監督】松井良彦
【キャスト】佐野和宏、隅井士門、村田友紀子 ほか
【鑑賞方法】TSUTAYAディスカス、ゲオ宅配 など
(鑑賞時にご確認ください)
解説・あらすじ
1988年の初公開時、衝撃的な内容に賛否両論を巻き起こした伝説のカルトムービー。大阪の廃墟ビルで暮らす孤独な青年・誠は、愛するマネキン“菜穂子”に惨殺した女性の生殖器を埋め込み、“愛の結晶”が生まれることを夢見ている。やがて何かに導かれるように、様々な人間が廃墟ビルを訪れ始め……。(映画.comより)
2007年、鮮明なハイビジョン映像とデジタル音響で甦らせたデジタルリマスター版でリバイバル。11年、再上映。(映画.comより)
年齢制限は?
R15指定なので、15歳以下の方はご覧になれません。
レビュー ( 2023・11・27 )
1、数々のヤバすぎる伝説
まず、本作がどれだけヤバいかと言うと…
- 1985年のトリノ映画祭に出品を予定されながらイタリア税関でストップ(wikipediaより)
- 試写を担当した映写技師が嘔吐した(wikipediaより)
- 寺山修司は『この脚本が映画になれば、事件だ』と語っていた(wikipediaより)
- おすぎが『とにかく汚らわしい』と吐き捨てた(番外編)
など、数々の伝説があるようです。
ちなみに寺山修司の『田園に死す』は結構好きです。安産イヌがお気に入り▼・ω・▼
斎藤工が本作を支持しているらしく、やはり斎藤工にはついていかなきゃなと思いました。
2、一体、どうヤバいのか…
ヤバい映画とひとことで言っても、色んな類いのヤバいがあるわけですが、差別・動物虐待・暴力・◯姦・近親◯姦・カニバリズムなど、そういう感じです…(・ω・)世の中のタブーと言われるものを余すことなく!詰め込んだ問題作。そして製作会社が『欲望プロダクション』という、これまた分かりやすいです。
88年製作とのことですがもっと昔の作品にも思え、その汚れた映像は良くも悪くもドキュメンタリーのようなリアルさがありました。舞台は大阪なのですが、通天閣などが近いことから、あぁあの辺なんだね…という、妙な説得力とリアルさが…。
ストーリーは、クズな主人公が愛するマネキン『菜穂子』のために女性たちを次々と殺害し、子宮を取り出しマネキンに埋め込もうとするのが話のベース(どんなベース)。
このベースだけでも手一杯なのに、この合間に主人公のその他の暴力や奇行も描かれるんです。戦争帰りの脚がない人や、小人症の兄妹、チック症の女店主、ホームレスなどあらゆる差別もてんこもり。
夕飯食べながら見ようと思ったんですが、開始5分でゾーモツ出てきてやめました(・ω・)
3、世界観や映像が独特で、これぞカルト
基本、全編ト◯狂っているので、ストーリーがどうとかで見る作品ではないです。シーンシーンを繋げたもの、と言った方が近いでしょうか。もちろんそのシーンのどれもが不快で、とにかく厭な感じです。嫌ではなくて、厭です(初めてこの漢字使いました)
映像もモノクロの上に、知らない俳優、定まらないカメラワークや不快なアングルなど、これぞカルト映画な作風。どうでもいいシーンもやたら長かったり、定点カメラのような映像、風景や対象物の差し込みなど、世界観もとても独特です。
そしてなんの嫌がらせか150分という大容量なのですが、この内容に反してあまり記憶にないんですよね。記憶から消し去ってしまったのかは分かりませんが…。出演者は知人らにこの作品を見せた時どんな反応だったのだろうとか、作品と全く関係ないことは考えていました(・ω・)
しかし本作、R15じゃなくてR18じゃなくて大丈夫なのでしょうか…。正直、モノクロでなければ映像化できなかったのでは、と思います。
2007年には、22年ぶりに新作を発表した松井監督
松井監督は2007年に、主演・柏原収史で『どこに行くの?』という新作を撮っているようです。同性愛に目覚めた青年とニューハーフの恋を描いた衝撃のラブストーリーとのこと。以降は撮られていないのでしょうか…。
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