公開日が3.11の翌日ということであまり日の目を見ず、映画的には気の毒だった本作…。鑑賞前からディズニープリンセスものでは久々に期待値が高かったのですが、これがもう想像以上の面白さにビックリ!私の中では『美女と野獣』に並ぶほどの名作となりました(泣)。辛いニュースが続くなか、束の間幸せな時間を過ごすことができました…。
作品データ
【製作年度】2010年
【製作国】アメリカ
【上映時間】101分
【監督】ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード
【声のキャスト】マンディ・ムーア、ザッカリー・リーヴァイ ほか
【鑑賞方法】Disney+、DVDレンタル など
(鑑賞時にご確認ください)
あらすじ
深い森に囲まれた高い塔の上から18年間一度も外に出たことがないラプンツェルは、母親以外の人間に会ったこともなかった。ある日、お尋ね者の大泥棒フリンが、追手を逃れて塔に侵入してくるが、ラプンツェルの魔法の髪に捕らえられてしまう。しかし、この偶然の出会いはラプンツェルの秘密を解き明かす冒険の始まりのきっかけとなり……。(シネマトゥデイより)
年齢制限は?
年齢制限はないので、どなたでもご覧になれます。
レビュー ( 2011・03・22の記事に加筆 )
1、物語が傑作に導かれる、3本柱
ディズニーアニメの第50作目にあたるという本作は、私も知らなかったのですがグリム童話の『髪長姫』というお話が原作とのこと。
18年間も頭の上で暮らしていたラプンツェル。母親だと思っていた女性はラプンツェルの魔法の髪の威力だけが目当てだが、そのことを知らないラプンツェルは塔の外へは一歩も出たことがなく、母親以外の人間も知らない。そこへひょんなことから、大泥棒の『フリン』が彼女の前に現れるが…。
- 母親以外の初めての人間との出会いと、初めての恋愛。
- 生まれて初めて外の世界へと繰り出す大冒険。
- 自身の出生の秘密。
この時点で物語が傑作へと導かれそうな3本柱が出来ており、冒頭で傑作を確信しました(・ω・)フリンとのラブロマンスという最高のオマケまでついてくるので、面白くないワケがありません(笑)。
今ではもう周知の事実ですが、初めて見たときはしょこたんの吹き替えが上手で本当に驚きました!見ている間しょこたんの顔がまったくチラつかず、完全に『ラプンツェル』でした。
2、女性だけでなく、男性ウケも狙ったという本作
塔を出るとさっそく始まる大冒険ですが、プリンセスものだと侮ってはいけないほどしっかりアドベンチャーしていて驚きました。特に水のアクションシーンは、実写に引けを取らないほどの躍動感と大迫力で、女性だけでなく男性ウケも狙ったということがよく分かりました。
そしてラプンツェルが、どうしても1度自身の目で見てみたいという『遠くの灯り』の正体を探るべく、さらには継母の追手から逃れながらの冒険は続きます。
全編通してその映像の美しさは言うまでもありませんが、本作の目玉とも言えるランタンのシーンがもう本当~に!美しいです。ディズニー史上どころか、こんなに美しい映像見たことないかもというくらい幻想的で、美しすぎて泣けました…(もちろん物語も充実しているという前提があるわけですが)。
劇場内には小学生らしき男の子が数人いたのですが、男の子も泣いていました。年齢も性別も関係なく楽しめる作品って、なかなかないですよね。
3、バラエティ豊かで、楽しい仲間たち
ディズニーお得意のサブキャラですが、本作でもたくさんの多彩なキャラクターが愛らしさとユニークさを遺憾なく発揮!
ラプンツェルと暮らすカメレオンのパスカル。フリンの耳に舌をツッコむシーンが繰り返されるたびに、場内でも笑いが。
ラプンツェルがフリンと訪れた酒場で出会う、荒くれ者たち。見た目はちょっぴり怖い彼らですが、ラプンツェルとの出会いによって夢を語り出し、すっかり打ち解け合うのです。ラストでも彼らはしっかりと物語に絡んできます(キューピッド爺もサイコー♡)
しかし、これまでのディズニーキャラと比べてみてもかなりのインパクトを放ったのが、馬のマキシマス!元は、大泥棒のフリンの追跡をしていた『彼』なのですがw これまたラプンツェルとの出会いにより、仲間になるのです。そしてその行動や表情たるや、もう人間以上に人間らしいw 特にフリンとの掛け合いはサイコーで、元からコンビだったのではないかと思うほど。
どんなキャラクターもラプンツェルには気を許してしまうって、やっぱり彼女の純粋で素直な人柄なんでしょうね。
4、言うことなしの、完璧でキレイな脚本
物語の冒頭からどんなに小さなエピソードも無駄にはせず、次から次へと起こるイベントに惹きつけられっぱなしなのですが、すべての出来事に必然性があるんです。またいかにも感動させようというあざとさがなく、物語の運び方や展開がとてもナチュラルだったのも共感できた理由です。
特に、ラプンツェルのお父さんが彼女のことを想うシーンは、たった一瞬のその表情で涙がこみ上げたのにはビックリ。お父さんが話すシーンってほとんどないにも関わらず、ですよ…。
約100分という時間の中に、ロマンス、冒険、ヒューマン、コメディなどを絶妙なバランスで盛り込み、もはや子供向けとは言えないほど大人も惹き込まれるストーリー展開。これぞ、ディズニーの名作アニメとして語り継がれるでしょう。
最近は時代のせいか、恋愛要素を含んだディズニー映画というのが少なくなってきましたが、これくらい直球の恋愛映画もまた見てみたいですね。昨年の『マイ・エレメント』も恋愛要素はありましたが、いわゆる『人』ではないですし(・ω・)笑
今さらではありますが、昨今のアニメのレベルがどんどん高くなってきて、もはや実写よりも多くの傑作を生み出している感がありますね。
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