グロに頼らない、ほとばしる人間の狂気と魂に圧倒される
私の旧ブログにおいて最もアクセスが多かったのがこちらの記事になります。全世界46カ国以上で上映禁止となったハードゴアスリラーということで、問題作ハンターの私も注目していた作品。当時はゲオの店頭でレンタルしたのですが、2024・9・28現在は店頭レンタルは難しく、見る方法としてはTSUTAYAディスカスやゲオ宅配、そして配信ではなんと『クランクイン!ビデオ』にあるようです(逆になぜw)
2022年には、なんと4Kリマスター版が上映されました!
作品データ
【製作年度】2010年
【製作国】セルビア
【上映時間】104分
【監督】スルジャン・スパソイェヴィッチ
【キャスト】スルジャン・トドロヴィッチ、セルゲイ・トリフノヴィッチ ほか
【鑑賞方法】TSUTAYAディスカス、ゲオ宅配、クランクイン!ビデオ など
(鑑賞時にご確認ください)
あらすじ
生活のために高額ギャラの仕事を引き受けた元ポルノ男優が、悪夢のような出来事を体験する戦慄のハードコア・スリラー。そのあまりにも過激でグロテスクな内容から、世界各国のホラー・ファンタジー系映画祭を騒然とさせた。容赦のないバイオレンスにポルノ・シーン、さらには常軌を逸したストーリーにぼう然となる。(シネマトゥデイより)
年齢制限は?
余裕のR18指定なので、18歳以下の方はご覧になれません…笑
レビュー ( 2012・12・10の記事に加筆 )
1、見るにはなかなかの勇気がいりました…
当時今は無きシアターN渋谷で公開されており、スゴ…なんて思っていたのですが、DVDレンタルはされないだろうと半ばあきらめかけていたら、なんとゲオで発見!『…え、マジで!?ちょ、どーしよ…気になるけど…でも…でもなぁ?』と1度は見送ったものの、気づいたらテレビの前で再生ボタンを押していました(・ω・)
しかし、これ以上に有名なセルビア映画ってないように思うし、未だに私の中でのセルビアというと本作という概念なんですが…笑 なんたって原題も『セルビアの映画』って言ってますからね(・ω・)『ジャパンフィルム』とか言ってこんなの出したらとんでもない騒ぎになりそうですが、セルビア本国では一体どのような認識なのかも気になります。
2、想像していたような、安直なグロ描写はなかった…
かつては売れていたポルノ男優のミロシュは、生活費を稼ぐため超高額なギャラのポルノ映画に出演することを決める。しかしそのポルノというのが内容の詳細も全く分からない、極めてヤバそうなシロモノで…といったストーリー。
これまで見てきたホラー映画のグロというと、血や色々なものが出てグシャアみたいなイメージだったのですが、そういう頭が悪いテイストではなく、倫理観ぶっ壊れの極致+アート系グロでした(どゆこと)。
もちろんとんでもないシーンはありますしカテゴリはホラーになるのですが、いわゆる『ホラー』でもないので要注意です。ちなみに監督曰く『本作品はホラーではなく、地獄に落ちるドラマだ』と言っていたようですが、いやまぁ、そうでもあるけど…ね…(・ω・)
そうして意を決して再生してみるも、冒頭からいきなりミロシュのポルノビデオシーン。しかもそれを見ていたのが彼の息子(推定5、6歳)だという。日本じゃありえないんですけど笑、とすでにブッたまげ。
3、本当にヤバいシーンは15分ほどだが、その濃度がスゴい
ちなみに全編に渡ってそんなシーンばかりなのかと思っていたのですがそうではなく、映画としての作りも意外と?しっかりとしていました。そして、本当~に!ヤバいシーンに入るのは実は物語の後半から。そんなシーンをまとめても全部で10~15分くらい?でしょうか。ストーリーの詳細を書こうとすると、さすがに私の口からも言えないwということで伏字だらけになってしまうので詳細は伏せますが。
女性を殴りながら or ◯しながら〜というのは、まぁ想像通りです(サラっと)。倫理的にこりゃマズいというのは、新生児○○○でしょうか。ただこのシーンは直では映っていないので、実際何をしているのかがハッキリとは分からなかったんですが、やっぱり『してた』の…(!?)
しかし1番の、それだけはダメ!なトドメは、ラストでミロシュが○していたのがなんと実の息子だったという…。その前にそうなるフラグはあったので予測はついていたのですが、それでももう…。…隣りでは、妻が自分の兄に◯されているし…。
どうやっても、その後『家族』として暮らせるハズもない3人は、結局自害するという超絶鬱エンディング。ちなみにそこまでカメラで撮影されているという。
4、グロに頼らない、ほとばしる人間の狂気と生気に圧倒される
本作に対するイメージとしては、グロもスゴいんだろうけれどそれよりも人間の精神を犯されるような描写がとんでもないんだろうな、と想像していたのでそこはまさしくその通りでした。グロだけに特化すれば他にももっとスゴいものはあるでしょう。しかし本作が放つ、狂気と生気の圧倒的な力強さと、ほとばしるものは群を抜いてスゴいです。
それには、ミロシュ役を演じた役者の魂みたいなモノが感じられました。てっきりチャラっとしたポルノ男優なのかと思いきや、これが良識あるなかなか紳士でシブいキャラなんですよ。例えキ○ガイストーリーでも、この人のキャラクターのおかげでまだこちらもまともな神経を保ちながら見ることができました。
そんなミロシュが、ク◯◯漬けにされながら行為を繰り広げるシーンは、もはや殺人よりも怖い!!!凶器を使わなくとも、このまま殺されてしまいそうな勢いでした…もう本当に『乗り移って』るんですよ…。グロに頼らず、人間の本性からこういった狂気を生み出す描写には心底ゾクっとしてしまいました。
5、アートっぽいオシャレテイストに、紛れる感じはある
これほどまでの内容なのに、意外と見れてしまった?理由に、カメラワークや作品の雰囲気にアートっぽさが漂い、若干『紛れる』感じがあったからかもしれません。予告を見ていただければ雰囲気が掴めるかもしれませんが、ちょっとオシャレなんですよね。
また映像自体の彩度もかなり落とされているので、ヤバいシーンは実はしっかり見ないとよく分からない部分もあったほどです。映画を見たというよりは、なんだかヤベぇPVを見たというような感覚も…。
グロのみを求める方には物足りなさがあるかもしれませんが、『人間の恐ろしさ』を見るには十分過ぎる作品だと思います。
見ている最中はずっと怖くて、何度も残り時間を見ながら、あと30分…20分!早く終わって!という感じでしたがw 疲労のあとの達成感は、かなりのものでした(・ω・)
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