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【ロングレッグス】いわゆる謎解きではなく…掴みどころのない不思議な空気感【ネタバレ】

なんでも『ここ10年で最も怖い…』ということで(多少)期待していたのですが、もちろんそんなことはないので安心して(?)ください。最近のニコケイ出演作の中ではかなり異色であり、いわゆるザ・ニコケイショーを想像すると肩透かしを食うかもしれません。しかも、彼の出番は実質15分ほど?(・ω・)

作品データ

【製作年度】2023年
【製作国】アメリカ
【上映時間】101分
【監督】オズグッド・パーキンス
【キャスト】マイカ・モンロー、
ニコラス・ケイジ
【鑑賞方法】劇場公開中
(鑑賞時にご確認ください)

あらすじ

不気味な連続未解決事件の謎に挑むFBI捜査官が、やがて想像を絶する事件の真相に近づいていくとともに、自らにも危険と恐怖が忍び寄るさまを、巧みなホラー演出でスリリングに描き出していく。(allcinamaより)

年齢制限は?

PG12なので、12歳以下の方は保護者同伴が望ましいとされます。

レビュー ( 2025・03・14 )

1、独特で不思議な空気感

とりあえずニコケイがヤバいとのことで?いつものキレッキレニコケイなのかと思いきや…。

笑いどころ一切なしの、どシリアスで驚きました(『ピッグ』もシリアスでしたね)。私はシリアスが好きなので、テイストはかなりど真ん中で、想像よりも楽しめました。

父親が妻子を殺害し自身も自害するという未解決事件が、ここ30年で10件発生。しかし、現場には犯人の痕跡がないことから捜査は難航していた。

そんななか、FBI捜査官のリー(マイカ・モンロー)が持ち前の分析力を活かし、犯人を追い詰めていくのだが…。最近では珍しい『羊たちの沈黙』のような正統派サスペンスなストーリー。

またすべての事件には、暗号で書かれた犯人からの手紙が残されており『ロングレッグス』を名乗っていた。暗号は『ゾディアック』を思い起こさせます。

ただ、一見正統派なサスペンスにも思えますが、独特なカメラワークや演出などアートな装いもあり、構成も独特。『え、なんでここでコレしないの?』だったり、『ん?アレは結局なんだったの?』と、よく分からない部分も多く…。

ストーリーの主軸はあるものの、どこかつかみどころのない不思議な空気感で物語は進んでいきます。とは言えもちろん、緊迫感のあるシーンも。

監督は『サイコ』ノーマン役の俳優の息子

『ロングレッグス』の監督は、『サイコ』のノーマン役アンソニー・パーキンスの息子である、オズグッド・パーキンス。
監督の上記2作品は見ているのですが『フェブラリィ〜』がFilmarksではなんと2.4…。私も1度目はよく分からなかったのですが、実はかなりの難解作。人の考察を読んで真相が分かると、一気に評価が上がりました!笑 かなり損をしている作品です…。

2、いわゆる謎解きではない

(C)MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC. 

せっかくの『暗号』というミステリー要素もリーがわりとサクッと解き明かしてしまい、その経緯などはほぼ出てこず…。
彼女は元から『分析力や洞察力に長けている人物』という描かれ方で、なぜ長けているのか?という掘り下げはされないんですよね。

序盤から、ほぼ勘で目当ての家を探し当ててしまったり、たまに挿入される蛇のイメージなど何かスピリチュアルな一面も持っていそうではあります。

…と、wikipediaには『(リーはおそらく)透視能力を所持』って、ミステリーの主人公が透視能力持ってたらチートじゃね…(・ω・)

そしてコミュニケーション能力に乏しく、愛想笑いひとつせず常に真顔…。

分析能力こそ長けているものの、犯人と対峙したときなどの実地には弱く、何かあるとすぐ息を切らせて動揺してしまう…。(まぁこれも伏線だったりするのですが)

ただやはり、この設定でミステリーを解き明かしていく楽しみがあまりないのは残念ではありました。というのも、中盤過ぎくらいでロングレッグスはあっさりと逮捕されてしまうのです…。

3、どうやって間接的に犯罪を犯したか

(C)MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC.

では、後半では何が描かれるのかというと『リーの秘密』です。

実は物語の前半で、1人暮らしをしているリーの自宅にロングレッグスが侵入し『手紙』を置いていくシーンがあります。その内容は『リーの母親を殺す』という脅迫。

実は、ロングレッグスは幼少期のリーを狙っており、彼女と接触していました。

このときリーの知らないところで、母親はリーを殺さない代わりにロングレッグスの犯罪に加担する取引をしたのです。もちろんこれまで、リーはそのことを知りません。

そして結局、どうやってロングレッグスが間接的に犯罪を重ねていたのかと言うと…。

彼は人形職人なのですが、ターゲット一家の子供にそっくりの人形を作ります。そしてリーの母親にターゲットの家まで人形を届けさせるのです。

その人形には、一家の主人が妻子を殺害する呪いをかけていたということなんですよね?
こうやって文章にすると、かなりチープにも聞こえますが…。

人形はかなりリアル!
(C)MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC.

人形の顔は陶器で出来ているのですが、子供そっくりでかなりの再現度!これまでのホラー映画で見てきた『呪いの人形』などと比べても、あまり見たことのないような質感…。


ヨハネの黙示録などもかなり絡んでいそうですが、知識がないのでよく分からず…。結局ロングレッグスがこんなことをしている動機は…悪魔崇拝ということなの?うーん…笑

現実的な事件が一気にオカルトめいたものになってしまい、なんだか逃げられた様にも…。実はあれだけヒットした『ヘレディタリー 継承』も、これが理由でそこまでノレず…(;ω;)

エンディングに関しても、あまりに畳み掛けるラストなので、これまたリーの妄想か夢オチかとも思ってしまいましたが…。
それでも、なんだかんだ?冒頭から飽きることはなく楽しめたので、ちょっと独特なカラーのサスペンスを見てみたい方はぜひ。

4、ニコケイの出演シーンは15分ほど?

驚いたのは、ニコケイの出番少なっ!笑
冒頭でロングレッグスがわずかに登場するシーンはあれど、そこから再登場までに1時間。そして再登場したかと思えば、すぐに逮捕。これにはちょっと拍子抜けでした…。

しかも逮捕後すぐに自爆したので、出演シーンは実質15分くらいでしょうか…!?というのも、ロングレッグスが刑務所でデスクに自身の顔を打ちつけて亡くなるシーンはあまりに唐突すぎて、これ現実…?と。

そして今回、ニコケイは特殊メイクをしての出演だったのですね!?正直、このメイクが作品にどのような影響を与えたのかはよく分かりませんでしたが…。
白髪のロン毛に真っ白な顔。服も白っぽい色でまとめられていて、なんなら女性ものの服にも見えたのですが…?でも、似合ってました。

出番が少ないながらも相当なインパクトで、存在感は抜群。見て秒でヤバいやつと分かります…。
嬉々として危ない発言をしながら、たまにセリフをミュージカルのように歌い上げたりと(しかも上手い)色んなジャンルのヤバいが詰まってました(・ω・)

そういや、タイトルの『ロングレッグス』の意味は…?少女のリーに『長い脚を忘れちゃって…』とは言ってたものの、なんだったの?なんか見落とした?(↓確かに脚は長いです…)

(C)MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC. 

マイカ・モンローも良い!

(C)MMXXIII C2 Motion Picture Group, LLC.

本作が楽しみだった理由に、私の大好きな『イット・フォローズ』のマイカ・モンローが出演していたこともあったんですよね。

私がこれまでに見てきた彼女の作品はブロンドヘアのイマ風な役が多かったので、堅実で地味なリー役は新境地。役のせいかヘアスタイルのせいなのか?本作ではかなりキーラ・ナイトレイに見えました。

⬇︎冴えないほうのニコラス・ケイジ主演作。
こちらはA24なのでもっと独特です…笑

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