【インサイドヘッド】『カナシミ』はなぜ必要なのか？【ネタバレなし】

キャラクター化された感情たちが繰り広げる物語は子供たちからすれば目で楽しめますが、その内容は深く、実はひそかに大人向け。一見ネガティブとも思える『カナシミ』という感情は、なぜ私たちにとって必要なのか。『インサイドヘッド』は、大人でも気づけていなかった大切なことをサラっと教えてくれます。

作品データ

【製作年度】2015年
　【製作国】アメリカ
【上映時間】94分
【監督】ピート・ドクター
【声のキャスト】エイミー・ポーラー、フィリス・スミス　ほか
【鑑賞方法】Disney＋、DVDレンタル　など
（鑑賞時にご確認ください）

あらすじ

11才の少女ライリーの頭の中の“5つの感情たち”─ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミ。遠い街への引っ越しをきっかけに不安定になったライリーの心の中で、ヨロコビとカナシミは迷子になってしまう。ライリーはこのまま感情を失い、心が壊れてしまうのか？驚きに満ちた“頭の中の世界”で繰り広げられる、ディズニー／ピクサーの感動の冒険ファンタジー。（Filmarksより）

対象年齢は？

年齢制限はないのでどなたでもご覧になれますが、未就学児のお子さんには少し難しい部分があるかもしれません。

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レビュー　（ 2015・08・10の記事に加筆 ）

１、ディズニーの発想力に脱帽

まず、感情をキャラクター化して少女とリンクさせる、という発想がすごいです。

本作ではライリーによる現実のドラマと、インサイド・ヘッド（頭の中）という2つのドラマが楽しめるのがポイント。

個人的に最も好きなキャラクターはカナシミ！

ネガティブなことをつぶやきながらノソノソと歩く、まるっとしたフォルムがひたすら愛くるしい！カナシミの吹き替えを演じた大竹しのぶは、この人の声以外は考えられないという最強のマッチング。

２、ライリーの頭の中はテーマパーク

ライリーの頭の中は『家族』『友情』『空想』などの島が、パステルカラーを使ったテーマパークのように描かれていて、見ていてとても楽しかったです。

ここでは、アドベンチャーが堪能できます。

ライリーのためなら死ねるクンの登場には吹きましたw　まぁこの年頃の女の子って、みんなこういう『自分だけの〇〇』がありますよね。

…子供が作り出すことも多い、空想の遊び相手であるビンボンというキャラクターの登場も重要なシーンです。(吹き替えで見たので、最初はビンボーだと思ってました)

『…次はきっとうまくいくと思うよ★』が、そういう意味だったと分かると思わず涙が…。

なんだかこのくだりは『トイ・ストーリー』を思い出してしまいました。

これも、ライリーの成長のためには必要だったのでしょうね（涙）。

３、物語の主人公はカナシミ

カナシミとヨロコビがライリーの頭の中から消えたことで、彼女に大きな変化が表れます。

それならヨロコビだけが戻ってくればいいのかと言えば、ヨロコビだけでもうまくいかない…。

一見、ネガティブで不必要とも思えるカナシミですが、ヨロコビとカナシミの感情をうまく使い分けて、バランスよく付き合うことが大事なんですね。

引っ越したばかりで情緒不安定だったライリーですが、頭の中ではカナシミの重要性、必要性がしっかりと描かれる。

またそれによって、ライリーと家族や友人との関係性が、感動的なドラマに結ばれるラストは見事でした！

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（※記事作成時の情報なので、鑑賞時に作品タイトルをご確認ください）

４、ディズニー初のPG13指定作品？

2020年にコロナの影響によって劇場公開が見送られ、Disney＋のみの配信となった実写版『ムーラン』。

こちらは、13歳以下の子供の鑑賞には保護者の厳重な注意が必要とされるPG－13指定になりました。

理由は暴力的なシーンとのことらしいですが、こちらはアメリカでの話であって、日本では年齢制限はもうけていません。

アメリカのほうが日本よりもレイティングが厳しいのはちょっと意外な気もしますが、気になる親御さんはお子さんと一緒に鑑賞されるほうがいいかもしれませんね。

♦︎「ムーラン」アメリカでディズニー実写リメイク初のPG－13指定に（映画.comより）

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