スポンサーリンク

【震える舌】実話の闘病スリラー!|父親は感染した?ラスト考察【ネタバレ】

ホラー好き界隈では「ホラー映画よりも恐ろしい」と語られる、昭和の破傷風スリラー『震える舌』。闘病ドラマでありながら、まるで悪魔に取り憑かれたかのような少女の異変は、『エクソシスト』と揶揄されることも。ここでは、そんな本作がなぜホラー以上に怖いのか、また父親の「感染」説やラストの意味についてもネタバレありで解説。

作品データ

【製作年度】1980年
【製作国】日本
【上映時間】114分
【監督】野村芳太郎
【キャスト】渡瀬恒彦、十朱幸代
中野良子 ほか

解説・あらすじ

破傷風の女の子と両親の、病魔との闘いを描いたヒューマン・ドラマだが、野村芳太郎独特のオカルトテイストな演出により、すっかり和風エクソシストの様になってしまった。埋め立て地での泥遊びにより破傷風となってしまった女の子。死亡率が非常に高く、光、音などの刺激により激しい痙攣を引き起こすこの病気の看病は非常に困難で、母親は、その疲労により徐々に精神を蝕まれていく……(allcinemaより)

年齢制限は?

年齢制限はないようですが、ホラーに近いような描写もあるので苦手な方はご注意を…。

どこで見れる?

\31日無料体験あり/
🎬 U-NEXTで見る
(PR)
※ 配信・レンタル状況は 記事作成時 のものになります。鑑賞時にご確認ください。

レビュー・考察【ネタバレあり】

1、どんな話?実話ベースの恐怖

震える舌

一見すると「子どもが重い病気にかかる話」を描いた闘病ものに思えますが、実際に観てみると、その印象はいい意味で裏切られます…。

というのも、本作はただの闘病ドラマではなく、観ているこちらの精神を削ってくる“体験型の闘病ホラー”に近い作品なのです。

物語は、ごく普通の家庭の日常から始まります。大きな集合住宅の前に流れる川で、虫あみを持って蝶々を追いかける可愛らしい女の子が、泥を触っている。

その指には小さな傷とわずかな出血…。「はじまり」は、こんな些細なことだった。

そして、ある日を境に原因不明の異変を起こし始める少女。最初はちょっとした体調不良のように見えるのですが、そこから一気に様子がおかしくなっていきます。

破傷風の恐ろしさ

そして判明する病名が「破傷風」。今でこそあまり聞かない病気ですが、これがとんでもなく厄介で、ほんの少しの刺激でも発作を引き起こす、極めて危険な感染症。

実際、1980年前後の時代にはすでに患者数は減少していたものの、決して過去の病気ではなく、現実味のある恐怖として存在していた病でした。

また、原作となった『震える舌』は、作家・三木卓が、実際に娘の破傷風を経験したことをもとに書いた実話ベースの作品です。

幽霊や怪物ではなく、日常のすぐ隣にある恐怖。だからこそ本作は、ホラー以上に“逃げ場のない怖さ”を感じさせてきます。

BGMが怖い…

劇中で使われている音楽が、これまた幽霊でも出てきそうにおどろおどろしいので、より一層恐怖に拍車がかかります。

2、ホラーじゃないのにトラウマ級

逃げ場ゼロの閉鎖空間

物語の大半は、ほぼ病室の中で進みます。これがまた絶妙にしんどい…。普通の映画なら、場面転換で少し気が抜けたりするんですが、この作品はそれがほとんどありません。

破傷風というのは、ほんの少しの明かりや音など、刺激になるものはすべて発作に繋がるため、暗幕を下ろした真っ暗で静かな部屋でひたすら安静。

そんななか、いつ発作が起きるか分からない緊張状態が続く…。観ている側も息が詰まり、一緒に閉じ込められるような感覚に陥ってきます。

子供 × 苦しみの地獄構図

震える舌

最もキツいのは、苦しんでいるのが「大人」じゃなくて、何の罪もない子供ということ。

そして何より――少女の異変が、想像以上に「怖い」。苦しみ方がかなりリアルで、ただ弱っていくというよりは、身体が勝手に暴れてしまうような異変。

舌を噛み、口を血まみれにして奇声を発し、身体に力が入ったまま苦しそうな声を上げる。そのとき身体を海老反りのように反らせたりするアクロバティックな様相が、完全にホラーなんです。

「乳歯なら、また生えてくるからいいですよね(!?)」と医師に確認され、抜けても構わないと言わんばかりに、鉄製のヘラで血まみれの口をこじ開けようとする描写にはこちらも力が抜けました…(;ω;)

観ていて逃げ場がない。「やめてほしい」と思いながらも、目を逸らせない…。この時点で、かなりメンタル削られます…。

追い込まれていく両親

入院2日目にして、母親は正気を失い始めたようにやつれ始め、父親も髭が伸びてきて悲壮感が漂う…。

娘の発作の様子を、まるで象形文字のような図解で日記につけ続ける母親。しかしあまりの壮絶な闘病生活に、医師たちに「(娘に)もう何もしないで!」と、つい本音が出てしまう。

現実に起こりうる恐怖だからこそ、逃げ場がない。「見ているしかない状況」に追い込まれ、どうすることもできない両親…

気づけばこれは、単なる病気の話ではなく、家族が極限状態に追い込まれていく過程そのものを描いた作品だと分かってきます。

未見の方は、こちらから視聴できます◎

\31日無料体験あり/
🎬 U-NEXTで見る
(PR)

3、ラストで父親は感染した?

「昌子は死ぬ」。絶望を確定させた瞬間

「よく聞け。昌子(娘)は死ぬ…そう思う。だから家に帰って家を片付けて、預金通帳などを整理しておけ。俺も発病する。片付けが終わったら寝ておけ。何かあったら連絡する」

このセリフでまず印象的なのが、「昌子は死ぬ」と言い切っている点。
これは単なる悲観ではなく、最悪の結末を“すでに確定した未来”として受け入れてしまっている状態に見えます。

まだ生きているにもかかわらず、「助からない」と心の中で決めてしまう。ここに、父親の精神が限界に近づいていることが表れています。

「俺も発病する」。家族ごと終わるという思考

続いて出てくる「俺も発病する」という言葉。

一見すると感染を示唆しているようにも聞こえますが、実際には“もう全員終わる”という思考に取り込まれている状態に近いです。医師からも、感染はしていないと診断を受けます。

しかし、娘だけが苦しむ現実に耐えられず、自分も同じ側へ引きずられていく。絶望の中で家族ごと崩れていく感覚の表れのように見えます。

通帳整理の指示―冷静に見えるパニック

さらに印象的なのが、その直後の具体的な指示。通帳の整理、家の片付け――まるで死後を見据えた準備のような言葉が並びます。

一見すると冷静な対応にも見えますが、実際には状況をコントロールしようとするパニックの裏返しとも取れます。すべてを失う未来を受け入れてしまったからこそ、せめて最後にできることを整えようとしているような。

この一連の流れは、父親の精神が崩壊寸前にあることを示す描写としてとても象徴的です。

病気は娘だけのものではなく、家族全体を内側から侵食していく――。この流れが、本作のもう一つの恐怖です。

4、泣いて笑って、父の全力疾走

地獄のような治療を乗り越え、少女はついに峠を越えます…。極限状態の中で、“生きているだけ”で精一杯だった彼女が、ようやく回復の兆しを見せ始めるのです。

で、この流れで来るのが、あの名シーン。医師がぽつりと、「ジュースくらいならあげてもいいですよ」と一言。

これを聞いた父親――病院の廊下を全力ダッシュ。いやもう、さっきまでの絶望どこいった?ってくらいの勢いで走る。たぶん人生で1番速い(・ω・)

そのまま自販機にたどり着いて、ジュースを何本もガチャガチャ買い込むんですが、帰り道で盛大にすっ転びます。しかも泣きながら…。

絶望からの反動で、感情が制御不能になっている状態。

あれだけ追い詰められていた人間が、ようやく「助かるかもしれない」と思えた瞬間。そりゃ走るし、転ぶし、泣きます。もちろん、私も泣いてます

むしろこの“ちょっと情けない姿”があることで、この家族がどれだけ極限を生きていたのかが、よりリアルに伝わってくるんですよね。

そしてこのあとに続くのが――あの「チョコパン」の一言です。

北林谷栄さんが出演

少女の祖母を演じたのは『となりのトトロのメーイちゃ〜ん!のおばあちゃんこと北林谷栄さんです。話し方もまんまで、聞けばすぐにわかります笑

5、「チョコパン」が示すもの

そして、息を吹き返した少女が発した有名な一言。

「…チョコパン食べたい……チョコパンだよぉ〜…」と、ぐずり始める……それを聞いて、もちろん部屋中が笑いに包まれます。

生死をさまよい、あまりに過酷な状況を乗り越えたあとに出てくるのが、“チョコパン”というギャップ。

ここで重要なのは、「何を食べたいか」よりも「食べたいと言える状態に戻ったこと」

しかも、以前は特別好きだったわけでもないチョコパンを欲しがる点も含めて、“生きたい”という欲求の回復そのものとも言えます。

ここまで徹底的に“しんどさ”を描いてきた作品だからこそ、この一言の重みが異常なんですよね。

そうして、これまで一緒に闘ってきた観客たちも救われ、良いお話だったな…と思えるのです。

極限を演じた役者たち

なんと言っても、少女を演じている若命真裕子の演技がとにかく凄いです…!

当然のようにネットでは「震える舌 子役」などと検索ワードが出てくるのですが、女優としての仕事は本作と『典子は今』という作品に出演されただけ?のようです。そして現在はなんと、医療従事者としてご活躍されているんだとか。

中野良子が演じた担当医師は、何が起きても物怖じせず、常に凛としていて好感が持てるキャラクターでした。

十朱幸代は、私の中で物心ついたときには「はごろもフーズのシーチキンの人」というイメージで(・ω・)女優としての演技は初めて見たのですが、可愛らしかったです。

渡瀬恒彦の作品も初めて見たのですが、若い頃こんなにカッコ良かったんですね!?役も相まってなのか、夫だけれど男感があってかなり好みでした(なんの話)。冒頭なんてミニオンみたいなオーバーオール着てるのに。

監督は、黒澤明から「日本一の助監督」と評価

『震える舌』の監督・野村芳太郎は黒澤明作品の助監督を務め、黒澤監督から『日本一の助監督』と評価されたのだそう。

『砂の器』『鬼畜』など、サスペンス色が強い作風が多く、なので『震える舌』も監督独特のオカルトテイストな演出が出ているのだそう…納得です笑。

↓こちらも、両親が子供のために奮闘します…

▼ ここから無料トライアルで今すぐ視聴◎

📺 U-NEXT公式

登録で600円分のポイント🎁
継続後は毎月1,200ポイントもらえるので…
実質・月額約1,000円で楽しめます◎

※PR/リンク先:U-NEXT公式サイト

▼ 映画レビューのタイトル一覧はこちら

ホラーや変わり種もそろってます

ジャンル別にサクッと探せます◎

▶︎ ランキングに参加しています
気に入ってもらえたら
ポチッと応援していただけると嬉しいです◎

タイトルとURLをコピーしました