実はかなり以前から『女子高生が戦時中にタイムスリップする話ないかなぁ?あったら絶対面白いのに…』と思っており、自身でもたまーにネットで調べていました。なので、本作の存在を知ったときはちょっと驚きましたよね…私のため?と(・ω・)そしていざ公開されるとやはり評判は良かったものの、なんとなく配信まで待とうかなという謎の勢力?が働き。さらに配信へ来ても770円→399円まで待って鑑賞したのですが、その結果は…。
作品データ
【製作年度】2023年
【製作国】日本
【上映時間】127分
【監督】成田洋一
【キャスト】福原遥、水上恒司、伊藤健太郎 ほか
【鑑賞方法】Amazonプライム、U-NEXT など
(鑑賞時にご確認ください)
解説・あらすじ
SNSを中心に話題を集めた汐見夏衛の同名ベストセラー小説を映画化し、戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の青年の切ない恋の行方を描いたラブストーリー。
年齢制限は?
ないので、どなたも鑑賞できます。
レビュー ( 2024・06・17 )
1、冒頭からツッコミ祭り
なんと言っても、すでに私が考案していたシナリオなのだから(・ω・)?面白いに決まっていると…。巷でもこれだけの高評価なのだから、少々ベタでも王道に感動できると思い込んでいたのに…。
…なぜ、なぜこんなことに…。こんなの、もはやよほどのことがなければ傑作になるしかないやん…(!?)
誰も何も聞かない不自然さ…
父が亡くなり、貧困のせいで母親に反発、クラスメイトからは若干のイジメを受けている高校生の百合。現実に嫌気がさし、タイムスリップへのお膳立てはバッチリという絶好のタイミングで戦時中へ。
そうしてタイムスリップするとわずか数分で、恋仲になる特攻隊の彰と出会う。
彰はとても親切で、なんだかすでにいい感じの2人…(・ω・)オヤ?
というか、この時点でまず聞かないの?『…ここ、どこですか??』って。
さらにこのまま、当時の食堂に連れて行かれ、女将の『ツル』にご飯までご馳走になるのに、まだなんっっにも!聞かない…。
ようやく新聞に目をやり『…これって、いつの新聞ですか!?』って、さっきからとっくに戦時中やろw!!
それどころか、明らかおかしな格好をしている百合について、彰もツルも何も尋ねない。ツルが『…帰る家はあるの?…変なこと聞いちゃったわね…』ってそれだけ。いやいやいやいやいやw
一応、事態を把握した百合は、タイムスリップした場所で『…帰してよぉ!!』と懇願してみるが、彼女の葛藤と言えばこれのみ。…普通もう少し混乱して、パニックにならんか(・ω・)
いくら現実に嫌気がさしていたとはいえ、家の事を思い返すシーンがほぼないのもやはり不自然…。
2、謎の呼び捨て提案
素性がよく分からない百合をツルは住み込みで働かせてくれ、すべてがトントン拍子で、あっさりと戦時中に溶け込む百合。
さらには彰との距離も爆速で縮まり、彼の妹と百合が同い年であることが判明。
すると『…妹は私をアキラと読んでいたから、君もアキラと呼んでくれないか?そのほうがしっくりくるから(意味不明)』と、突如、呼び捨て提案。
さらには『俺もユリって呼んでいいか?』って、ちょっと何言ってるかよくわからない(・ω・)
当時の女性が身内でもない男性を名前で呼び捨てって、結構なことだと思うのですが。身内だってわりと敬語の時代だよね…。
一緒にかき氷を食べ『…メロンやイチゴはないの?』と尋ねる百合に、キョトン顔で何も発さない彰。いやだからさ『…なにそれ、どこで食べたの?』ってなぜ聞かない…。
3、未来から来たことをなぜ言わない
彰が特攻隊だと知るも『…あんな小さい飛行機でバカでかい船に突っ込んでも何にもならないって。日本は負けるんだよ…(;ω;)』と1人でボソッと言うシーンも、すこぶる軽く…。
この設定で、本来感動するシーンはひと通り抑えてはいるものの、とにかく全体的に描写が浅いので、ただ台詞を言わされているようにしか映らず。
そして、戦争は、特攻は無意味だということを当時の人間に伝えるシーン。
彰に『…日本は負けるの。だから特攻なんて意味ないし、一緒に逃げよう!』ってのもさ、その通りなんだけど、日本が負ける根拠も示していないし、言い方ww
物語で最も盛り上がりそうなシーンが描かれない
これでは、ただただ百合が『日本は負ける!』とのたまうヤバい女ではないか…(!?)
おそらくここが最も、百合が未来からやって来たことを、説得力を持って証明できる重要なシーンになり得るのに、なぜ言わないのか。
せめて、彰だけには未来から来たことを告げても良かったのでは…??
結局、彰は真実を知ることなく物語は終わってしまうので、どうしてもモヤモヤしてしまい、物語に厚みが出ない…。
せっかくのタイムスリップという大きなモチーフが活かされておらず、逆に百合のカミングアウトなしでなぜこの設定にしたのだろう…??
4、そもそもターゲット層を誤っていた
ようやく『現在』へと戻ってきた百合ですが(詳細は割愛)、課外授業で訪れた戦争資料館で、偶然にも彰が自身へ宛てた手紙を発見する。
…うん、ここは確かに感動しましたし、こうなるのだろうと分かっていてもちょっと泣きました…w
でも、肝心の戦時中パートが、どう〜にも納得出来ずで…。
ツルを演じた松坂慶子や、母親役の中嶋朋子はとても良かったです。
福原遥は『ゆるキャン』で好きになったので、かなり楽しみにしていたんですよね。演技も上手く、しっかりと女子高生に見えましたし、ただただ可愛いかった…。
以前ネットの『ぶりっ子な芸能人スレ』で福原遥の名前が挙がっていたのですが、『福原遥はぶりっ子じゃない。本当にいい子で可愛いだけ』というのを見て、その通りだとww
そして、そもそも本作って…どういう立ち位置の作品なのだろう?と思い、調べてみると…。
SNSを中心に話題を集めた小説が原作で、どうやら10〜20代ターゲットの作品だったようですね!?
『向け』でない人が、勝手に若者向けの作品を鑑賞しあーだこーだ文句を言うという、なんとも無粋なマネをしてしまいました、本当にすみません。
しかし私と同い年の友人はとても楽しめたらしいので、私の心が腐っていただけのようです。ただ、この記事は備忘録として残しておきます…。
この設定で、もう少し高年齢層向け?に生々しく作って欲しいなぁ(え)。
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