【ホールド・ユア・ブレス】ホラーミステリー【ネタバレなし】

ホラーよりもミステリー強めな、独特で不思議な世界観

ホールド・ユア・ブレス
映画.comより)

10月3日からDisney+で配信が始まったホラーミステリー。少し気になっていたので見てみたのですが、これが想像以上に面白かったです(・ω・)ホラー要素よりもミステリー色強めで独特な世界観。しかしFilmarksでは、たった61人しか見ておらずしかも3.0…。布教活動のためにもレビューを笑

作品データ

【製作年度】2024年
【製作国】アメリカ
【上映時間】94分
【監督】キャリー・クラウス
【キャスト】サラ・ポールソン、アミア・ミラー ほか
【鑑賞方法】Disney+
(鑑賞時にご確認ください)

あらすじ

恐ろしい砂嵐が巻き起こり、ある女性は邪悪な存在が家族を脅かしていると確信する。(Disney+より)

Disney+に加入している方は知っているかもしれませんが、上記のような一行でザックリ、みたいなあらすじが多くてネタになることも…。もう少し情報欲しいですw

年齢制限は?

15+となっており、ディズニーでは15歳以上が視聴可能としています。



レビュー ( 2024・10・23 )

1、砂漠のなかの、ポツンと一軒家

ずっと薄曇りな不穏な雰囲気…

まずなんといっても、舞台と設定がとても好みでした。1930年代のオクラホマ州なのですが、荒野というより、もはや砂漠。一面見渡しても砂だらけで、建物ひとつないところにポツンと建っている一軒家。そもそもですが、オクラホマ州って砂漠(みたいな感じ)だったの(・ω・)?

常に白いコットンのブラウスやワンピースを着ている母娘たち。毎日家の中を掃きそうじしないと、砂まみれになってしまう環境。食事どきにも『砂嵐や砂ぼこりを鎮めてください…』とお祈りしており、こんな日常生活にも興味がありました。乾いた砂と、清楚な彼女たちの対比が神秘さを生み出しており、妙な色香を感じましたね

謎だったのは、近隣?の人たちも物語には出てきて、たまに皆で集まったり、家に人が訪ねてくる場面があるのですが、いやおまえらどんだけ歩いてここまで来てんねんw!?と。

砂がモチーフといえば、安部公房の『砂の女』
砂の女
こんな官能的なイメージの作品ではありません笑

やはり砂がモチーフになっている作品といえば、岸田今日子主演の『砂の女』。女は、砂穴で毎日砂かきをして暮らしているが、なぜそんな不便な生活をしているかは一切明かされない高尚な文学テイストw 変わった作品が好きな方必見です。

2、『グレイマン』に翻弄される母親…

分かりづらいですが、長女役の女優さん(右)がキレイな子でした!

本作の恐怖モチーフとして登場するものの1つに、子供たちが読んでいる『グレイマン(灰の男)』という本があります。グレイマンは妻と子供を殺そうとするが失敗し、自身が炎に包まれて灰となる。そしてその灰を吸った者はグレイマンに操られる、というお話…。子どもに読み聞かせする話としては、絶対にアウトですw

もちろん創作なので子どもたちをたしなめていた母親ですが、なんのことはない、母親のほうが徐々に壊れ始めていくという…。母親を演じるサラ・ポールソンの十八番おはこですよね(・ω・)

『闇のニコール・キッドマン』みたいなサラ・ポールソン
(左)サラ・ポールソン(右)ニコール・キッドマン

もちろんサラ・ポールソンの演技は(相当)上手いのですが、『RAN/ラン』の狂気じみた母親役の延長上のようになっていて、正直新鮮さはなかったです…。

以前から思っていたのですが、ニコール・キッドマンと似てません?サラ・ポールソンもかなりの美人女優だと思うのですが、今後の彼女の使い方が定番化しそうでちょっと心配…

3、唯一、実体のあった恐怖…

『謎の来訪者』の描き方が独特で、かなり怖い…

もう1つ、実体があった恐怖として『謎の来訪者』という人怖ひとこわ要素があります。納屋に潜んでいた男は、サラ・ポールソンの夫の知人で『家族たちが元気か見てきて欲しい…』と言伝ことづてを預かったらしいのですが…。

母親以外に子供たちも『彼』に接しているので、この人物は本当に実在していたのだと思われます。しかし、その後の母親の錯乱と狂気ぶりを見ると、一体どこまでが現実なのか…とも思えますし、現実と彼女の妄想の境界線があえて曖昧に描かれている部分もあります。この不思議な雰囲気にノレるかノレないかで、評価が分かれそうな気もしますね。

4、ホラー好きより、不思議なお話が好きな人に向いているかも

砂よけのマスクもなんだかホラーなモチーフに…

本作の場合はいわゆるホラー映画好きよりも、ちょっと変わったミステリーや詩的で不思議な話が好きな人のほうが向いているかもしれません。Filmarksでの評価が低いのも、本作を好みそうな層と、実際に見ている層に相違がありそうな気もします

いわゆるホラーとして見てしまうと、かなり地味な印象です。恐怖の対象が抽象的で分かりづらく、明確な答えというものも出ません

かなり暗い場面も多いのですが、そんな画面から徐々に浮かび上がってくる恐ろしい形相の女性や、一見ゾンビの背中と見まごうような病気の症状など…。決して幽霊やモンスターなどではないのに、一瞬でゾクッとさせられるような箇所がいくつもありました。

しかしラストではちょっとカラーが変わり、爽やかな風が吹いているかのようなエンディング。あまり見たことのないテイストのお話で、ラストまで飽きることなく楽しめました。94分というコンパクトな上映時間も良かったですね。

81歳のパートナーと、9年交際しているサラ・ポールソン
(フロントロウより)

♦︎ 49歳のサラ・ポールソン、81歳同性恋人と9年交際も同棲しない理由を語る(penより)

サラ・ポールソンといえば、プライベートがちょっと有名だったりします。今ではLGBTが騒がれる時代ではなくなりましたが、彼女のパートナーというのが32歳年上の81歳!私も初めて知ったときは、すみません、完全に親子だと思いました…笑

しかももう、9年も交際しているとのこと。2人の表情を見てみても、とても良い関係を築いているんだなぁということが分かりますね。



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