残虐性を抑え、歴史好きの中高生も楽しめそうなエンタメホラー
韓国では『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『パラサイト 半地下の家族』を超えるほどの動員数で、2024年のNo.1ヒットという本作。私もかなり気になっていたのですが、いざ公開されてみるとFilmarksでは3.7(映画.comでは3.1)。事前情報からすると意外に低いなぁ?と思っていたのですが、私も鑑賞してみたら確かにこれくらいが妥当かなぁという感じでした…笑 今回のレビューは掘ることがあまりないのでわりと短めです。
作品データ
【製作年度】2024年
【製作国】韓国
【上映時間】134分
【監督】チャン・ジェヒョン
【キャスト】チェ・ミンシク、キム・ゴウン ほか
【鑑賞方法】劇場公開中
(鑑賞時にご確認ください)
解説・あらすじ
2人の巫堂(ムーダン=朝鮮半島のシャーマン)と風水師、葬儀師が掘り返した墓に隠された恐ろしい秘密を描き、韓国で観客動員1200万人の大ヒットを記録したサスペンススリラー。(映画.comより)
年齢制限は?
PG12指定なので、12歳以下の方は保護者同伴が望ましいとされます。
レビュー ( 2024・10・26 )
1、題材はもはや満点
跡継ぎが代々、謎の病にかかる富豪の家族から依頼を受けた巫堂(祈祷師)、風水師、納棺師は、先祖の墓に原因があることを突き止める。墓の場所が悪かったため移転を勧めるが、家族からはすぐに火葬して欲しいと言われる。しかし、棺の蓋を開けてしまったことから何かを解き放ってしまい…!?
お墓にまつわるミステリーってありそうで意外となかったし、こんなのもう絶対面白いじゃないですか!いつかは誰もがお墓に入ることを考えると、そんな身近な題材にしたことも韓国でヒットした要因なのでしょうか。お墓の場所を決める風水師がいるのもちょっと韓国っぽいですよね…。
棺の蓋を開けてしまったアイツは、お仕置きを受けたんでしょうか。劇中トイレで席を立ってしまったため、地味に気になってます笑
2、私的ハイライトは、お祓いの儀式
私のなかでの本作のハイライトはお祓いの儀式ですね。躍動感溢れるパフォーマンスはまるでアーティストのPVのように、とにかくカッコ良い!中毒性があって、永遠に見られますw
棺を掘り起こしたら、さらにその下に棺があった事実なんてめっちゃ上がったんですけどね〜!『重葬』というらしいですが、韓国では実際にもあったりするのでしょうか。このあたりまでは正統派のホラーミステリーと言った印象。
3、ホラーというジャンルで新たな試みに挑戦してくれたが…
ただ、事前になかなかの変化球だと聞いていたのでどういうことなんだろうと思ったら、まさかの日本の戦国武将ホラーだったのですね。そして武将がまぁ、デカいことデカいことww 余裕で2メートル超えで、どう頑張ってもこんなのに太刀打ち出来るわけない絶望感。なんたってすでに死んでいるわけですしね。
確かに、マンネリ化しつつあるホラーというジャンルの中でも新たな試みに挑戦してくれたことは評価したいです(偉そう)。ただ、決してふざけているわけではないのですが、まったく怖くないんですよね(・ω・)戦国武将の亡霊というニュアンス的なものではなく、ドッシリとした確かな『存在感』 。
決して戦国武将というモチーフが悪かったけではないと思うし、ここは見せ方だったのかなぁと思います…。やっぱ幽霊って、いるかいないかくらいの趣きが大切だと思うんですよね。しかも戦国武将はしゃべるタイプなので、どういうスタンスで見たらよいのかがよく分からず…笑っていいところだったんでしょうか(・ω・)
一体なぜ日本の戦国武将がそんなところに埋葬されていたのか、理由は明かされるのですが、それが日本からしたらちょっとセンシティブなことでもあるのでここでは触れません…笑 日本での低評価がこれに起因しているのかは分かりませんが…
4、歴史好きの中高生あたりも?楽しめるかも
PG12ではありますが、残虐さを抑えた見やすいエンタメホラーになっています。巫堂の弟子や風水師にいたっては、まちがいなく死んだやろ!と思ったのに2人ともサクッと助かった展開からしても、製作サイドも今回はこの方向性でいくって決めたんでしょうねしらんけど。歴史好きの中高生あたりが案外楽しめたりするかもしれません(・ω・)
私的にはチェ・ミンシクが出ているということで勝手にあらぬ期待をしてしまったのですが、彼の出演しているホラーとしてはかなりマイルドで万人向けになっていると思います笑 ラストもほっこりええ話でしたし、普通の善人みたいなチェ・ミンシクは新鮮で、猟奇的な役よりもこっちのほうが個人的には好きでした!有吉が歳とったらあんな顔になりそう…?
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