1作目も大好きでしたが、2作目のあまりの評判の良さに待ちきれず、ヨロコビ前夜祭上映に行ってきました。感情のキャラクターも増えてパワーアップ!…ただすみません、私は正直なところ映画としては前作のほうが面白かったです(・ω・)でも前作ってピクサーにしてはそこまで騒がれていなかった印象ですよね…?
作品データ
【製作年度】2024年
【製作国】アメリカ
【上映時間】100分
【監督】ケルシー・マン
【声のキャスト】エイミー・ポーラー、フィリス・スミス ほか
【鑑賞方法】劇場公開中
(鑑賞時にご確認ください)
あらすじ
高校入学を控え人生の転機に直面したライリーの頭の中で、謎の警報が鳴り響く。戸惑うヨロコビたちの前に現れたのは、最悪の未来を想像してしまう「シンパイ」、誰かを羨んでばかりいる「イイナー」、常に退屈&無気力な「ダリィ」、いつもモジモジして恥ずかしがっている「ハズカシ」という、大人になるための新しい感情たちだった。(映画.comより)
対象年齢は?
年齢制限はないのでどなたも楽しめますが、ライリーの年齢が上がった分、小さなお子さんは前作より少し難しく感じるかもしれません。逆に大人のほうがノスタルジックに浸って楽しめるかもしれないですね。
レビュー ( 2024・08・02 )
1、アニメーション映画として歴代1位
最近のディズニーはポリコレだなんだと騒がれていましたし、ここで一気に返り咲いた印象ですね。
ピクサーの『マイ・エレメント』はそれなりにヒットしましたが、ディズニー100周年記念で製作された『ウィッシュ』は知名度すらあまりないような…。
『ウィッシュ』は面白くないということもなかったですが、ディズニー100周年記念ということを考えると、確かにちょっと地味な印象かもしれません。
とうとう『インサイドヘッド2』が興行収入トップ10入りに!
先日記事にした『インサイドヘッド』1作目の時点では世界の興行収入ランキングは第13位とお伝えしたのですが、なんとここへきて『インサイドヘッド2』が『アベンジャーズ』を抜いてトップ10入りしたそうです!日本では公開が始まったばかりですし、まだまだ今後の動向に期待が高まりますね!
『インサイド・ヘッド2』全世界興行収入、『アベンジャーズ』超えて歴代トップ10入り(THE RIVERより)
ディズニーとピクサーとの違いについて
ピクサーは、ジョージ・ルーカスが設立したルーカスフィルムがそのはじまり。
そこからスティーブ・ジョブズへと所有者が移り、2006年にディズニーが買収し、現在はディズニーの子会社となっています(wikipediaより)。
- ディズニー映画は、『バンビ』や『ダンボ』などのクラシックから、ディズニープリンセスなど。
- ピクサーの代表は『トイ・ストーリー』シリーズなど
私のなかでは歌うのがディズニー、歌わないのがピクサーって思ってます。ピクサーのほうが対象年齢はやや高いですね。
2、4人の新しい感情の登場
前作では11歳だったライリーは13歳になり、高校進学を目前に控えています(サンフランシスコでは14歳から高校生だそう)。
本作では『シンパイ』『イイナー』『ダリィ』『ハズカシ』の4人が新キャラとして登場しましたが、正直キャラクターが少し多すぎる気もしました。
実のところ、ほぼシンパイの独壇場といった感じで、その他のキャラクターがそこまで機能していない印象も…。
成長するにつれ、新たな感情が増えて複雑化するのもわかるのですが、それらがうまいこと噛み合っておらず少しバランスが悪いようにも思えました…。
ただシンパイの声優を務めた多部未華子は、彼女の声と知って見ても『ほんとに!?笑』というくらい、そうは思えなくて上手かったですね!
オマケキャラの『ナツカシ』はとっても可愛らしいおばあちゃんキャラで、次回作があるなら活きてくるかもしれないですね。
ハズカシがフードをかぶった姿はムー〇ンにしか見えなかった笑
3、感情キャラクターのパート
ザックリ言うと、自分の思い通りにライリーを動かしたい『シンパイ』が、ジャマになったヨロコビたちを隔離してしまうという、いわゆる新旧メンバーの対立のお話だったんですね…。
ヨロコビたちがなんとか司令塔へ戻ろうと奮闘する姿は、1作目と同じような流れだなぁと思ってしまいました。
ネガティブキャラのカナシミが本作でもちょっと重要な役どころになっていて、唯一司令塔からヨロコビたちを救おうとがんばります。
新キャラの一員であるハズカシがちょっといいヤツで、陰ながらカナシミを助けてくれたりもします。
ただ、相変わらず映像は本当に美しくて、感情たちのフェルトのような質感と、ライリーの顎のニキビがリアルでした!笑
4、ライリーのパート
アイスホッケーを続けているライリーは、名門高校ホッケーチームのホッケーキャンプに誘われ、友人2人と参加。しかし友人たちが、実は別の高校へ行くことを決めていることを知ったライリーは、ショックを受けます。
こちらのパート単体で見ると、あるあるな青春ものという印象。ライリーの友人たちや先輩との関係性に関しても、わりとサラっと描かれているなぁと。
ライリーがあこがれる先輩グループのキャラクターにもあまり魅力を感じず…。まぁこれはわざとこういう描き方をしているのでしょうが。
逆に自分が同年代ならもっと共感できたかもしれません。自分より1歳でも大人なグループに入りたいってのは分かりすぎました…笑
前作のビンボンのような、魅力的で印象に残るようなキャラクターがいないのも少し残念でしたね…。
思春期ということで『ライリーのためなら死ねるクン』のリアル版をちょっと期待していましたが、そちらもナシ笑。本作ではほぼ友情に全振りしているので、恋愛系の要素はありませんでした。
5、それでも、ラストでは号泣…
新旧キャラの対立は、とても良い落としどころで決着がつきましたね。
辛いことや嫌なことを排除して解決するのではなく、あくまでそこも含めたライリーの人間性を尊重し、彼女の成長を促すという落としどころは見事でした…涙。
ダメな部分も吸収し、考え、決断するというすべての過程が重要であり、すべてひっくるめて彼女らしさなんだと…。
子供を主人公にはしていますが、大人でも気づけていない人間の本質に迫ったテーマには脱帽です。アップデートされた、新しい『ライリーらしさ』の花の誕生には涙がこぼれました。
でも、これに気づけていない大人はとても多いと思うんですよね…。
他人の短所を責めることしか出来ず、真の大切なことを見失い続けている人たち。
もちろん自分も気づかぬうちにこういう感情を持っていることはあるかもしれないし、これに気づくって容易じゃないと思います…。
友人たちがパニックになっているライリーの様子を察知し『…ライリー、だいじょうぶ?…』たったこれだけの言葉に、すべてが詰まっていると思いました。
周囲にいる、ちょっと様子がいつもと違うかな?という人に出くわしたら、表面の言葉だけを汲み取るのではなく、もしかしたら何かあるのかな?と一歩先を考える余裕が持てる人間になりたいですね。
この作品は数年後、数十年後に見返したらもっと味わい深い作品になる気がします。
【ランキングに参加しています。クリックしていただけたらはげみになります】