
台湾・香港・タイ・インドネシアなどアジア各国には、日本とはまたひと味違った個性派ホラーが多いです。
じっとり怖い心霊ものから、土着信仰や呪術、感染パニック、容赦ないゴア系まで、その振り幅もかなり広め…。
怖さだけでなく物語としても印象に残ったアジアホラーを厳選してご紹介。
U-NEXT配信作を中心に、他サービスやどうしても外せなかった未配信の作品も含んでいます。
各作品ごとに「恐怖・エンタメ・グロ」など、3つの指標を設けています。星評価はあくまで私の主観ですが、比較の目安にどうぞ。
この記事で紹介している作品の配信状況は、記事作成時のものになります。鑑賞時にご確認ください。
♦︎ 台湾|近年の勢いがすごい ♦︎
【哭悲/The Sadness】(2021)

【あらすじ】R18
謎の感染症が台湾全土に拡大し、人々は次々と凶暴化。離れ離れになった恋人たちは、狂気と暴力に覆われた街で再会を目指す。
恐怖 ★★★★★★★★★★
エンタメ ★★★★★★★★★☆
グロ ★★★★★★★★★★
- 「…台湾ってこんな感じだった(・ω・)?」と驚愕した、何もかもがぶっ壊れた、容赦ゼロの血みどろゴア・スラッシャー。
- ゾンビと違い、感染しても自我や会話力は残ったまま。理性だけが壊れ、元々抱えていた欲望や悪意が増幅される生々しさがとにかく恐ろしい。
- 怖いのは“襲われる”だけじゃない。特に女性はもう1つの暴力の標的にもなり得るうえ、その描写があまりにも(書けません)なので、要注意。
- 恋人たちは“この世の終わり”と化した街で再会できるのか。感染パニックとしての疾走感も抜群の、サバイバルジェットコースタームービー。
【呪詛】(2022)

【あらすじ】
6年前、禁忌を破って呪いを受けたルオナン。やがて娘にも異変が起こり始め、彼女は過去に犯した過ちと恐ろしい呪いの正体に向き合っていく。
恐怖 ★★★★★★★☆☆☆
エンタメ ★★★★★★☆☆☆☆
グロ ★★★★★★☆☆☆☆
- Netflix配信後、日本でも話題となった台湾モキュメンタリー。今やタイトルや不気味な呪文まで、ホラー好きにはおなじみの存在に。
- 現在と6年前を行き来する時系列シャッフルに、暗くて判別しづらい映像も多め。やや難解ですが、分からないからこそ余計に怖い。
- 最大の見どころは、ただ画面を眺めているだけでは終わらない“ある仕掛け”。観客まで妙な不安に巻き込まれ、わりとガチめにキレておられる方もw
- 物語の着想は、2005年に台湾・高雄で実際に起きた一家の集団憑依騒動。ただし、劇中の神や呪文は実在の宗教ではなく、映画のために作られたオリジナル設定。
【怪怪怪怪物!】(2017)

【あらすじ】PG12
いじめられっ子の高校生リンは、いじめグループとともに奇妙な”怪物”を捕獲。やがて彼らの残酷な好奇心が暴走し、思わぬ惨劇を招いていく。
恐怖 ★★★★★★☆☆☆☆
エンタメ ★★★★★★★☆☆☆
グロ ★★★★★★★☆☆☆
- いじめ × 怪物をブラックユーモア混じりに描いた異色の社会派ホラー。クセ強すぎる邦題かと思いきや、原題もほぼそのままという衝撃(・ω・)
- “怪物”が出てくるのに、本当に怖いのはやはり人間。いじめに加担するか、それとも止めるのかーー少年の揺れる良心と集団心理がえぐい。
- 胸くそ展開の連続ながら、怪物と人間の立場が反転していく構図が見どころ。ラストを救いと見るか、皮肉と見るかで印象も変わる。
- 監督は『あの頃、君を追いかけた』のギデンズ・コー。海外の有名ホラー系映画祭でも、国際長編部門の最優秀賞を受賞。
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【返校 言葉が消えた日】(2019)

【あらすじ】R15
戒厳令下の台湾。女子高生ファンは、目覚めると誰もいない学校に取り残されていた。封印された記憶と学校に隠された秘密が、怪異とともに姿を現していく。
恐怖 ★★★★★★☆☆☆☆
エンタメ ★★★★★★☆☆☆☆
グロ ★★★★☆☆☆☆☆☆
- 台湾発の人気ホラーゲームを実写化。舞台は戒厳令下の高校という異色設定で、政治史と怪異を絡める発想が台湾らしい。
- 目覚めると誰もいない夜の校舎。そこで男子生徒と出会い、学校に隠された謎を追いながら脱出を目指すーーこの設定だけでもうワクワク。
- 軍人めいた怪物から逃げる場面は、まるで『サイレントヒル』。やがて恐怖パートからミステリーパートへ移り、真相が明かされる過程も見応え十分。
- 背景にあるのは、台湾で長く続いた政治弾圧の息苦しさ。暴力や処刑を思わせるR15描写も交え、歴史の痛みを怪談として描く社会派ホラー。
【屍憶 SHIOKU】(2015)

【あらすじ】(台湾/日本合作)
結婚を控えたハウが、赤い封筒を拾ったことから不気味な怪異が起こり始める。やがて忘れられた過去と“冥婚”にまつわる因縁が、日常を侵食していく。
恐怖 ★★★★★★★★★☆
エンタメ ★★★★★★★★☆☆
グロ ★★★☆☆☆☆☆☆☆
- 『リング』の一瀬隆重プロデュースによる日台合作ホラー。実はこのまとめで、個人的には最も推したいレベルの掘り出し物。
- 亡くなった娘の婿に“生きた男性”をあてがう台湾の「冥婚」。いや、生きてる側は何の罰ゲームw!?と思うが、実際に存在した風習なのが1番怖い…。
- 恐怖演出はまさにJホラー直系。しっかり怖いのにテンポもよく、散りばめた伏線が終盤で一気につながる回収の気持ちよさも抜群。
- Jホラーやアジアホラー好きには本気で推したい1作なのに、現在は配信なしという悲劇…。見つけたらぜひ鑑賞してみて欲しいです。
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♦︎ タイ|王道や最恐モキュメンタリーも ♦︎
【女神の継承】(2021)

【あらすじ】R18(タイ/韓国合作)
タイ東北部で祈祷師を務める女性と、その姪に起こる異変を追う撮影隊。やがて一族に受け継がれてきた信仰と、恐ろしい何かの存在が浮かび上がる。
恐怖 ★★★★★★★★★☆
エンタメ ★★★★★★★★☆☆
グロ ★★★★★★★★☆☆
- 『哭声/コクソン』のナ・ホンジンが原案・製作。数あるモキュメンタリーの中でも完成度は非常に高く、手ブレまで恐怖の一部に。
- 131分の長尺に、家族の因縁、姪の異常行動、土着信仰、祈祷儀式までギッシリ。重厚なまま、最後まで圧で押し切るパワー作。
- タイ版『エクソシスト』級に姪の奇行が怖すぎる…!それだけでなく、家族の秘密を掘る骨太な物語と予想外の結末まで抜かりなし。
- タイの映画賞でも作品賞・主演女優賞などを受賞。R18級の残酷描写に加え、動物や赤ちゃんに関するシーンは、本気で要注意(!)
【心霊写真】(2004)

【あらすじ】
写真家のタンと恋人ジェーンは、ひき逃げ事故を境に写真へ奇妙な影が写り込むように。やがて怪異は2人の日常へ忍び寄り、恐ろしい真相へとつながっていく。
恐怖 ★★★★★★★★☆☆
エンタメ ★★★★★★★☆☆☆
グロ ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
- 『女神の継承』のバンジョン監督が25歳で世に放った長編デビュー作。タイ本国で大ヒットし、その名を知らしめた出世作。
- 若き日の監督作とは思えない完成度。王道Jホラーを思わせるジメッとした質感にジャンプスケアも多く、ミステリーとしての面白さも。
- 主人公がカメラマンだからこそ、“写真”を使った恐怖演出が豊富。なかでも、複数の写真が、ある瞬間ひとつの真実へつながる仕掛けには鳥肌が…。
- 2008年にはハリウッドで『シャッター』としてリメイク。日本を舞台に、落合正幸監督がメガホンを取り、奥菜恵が出演。
【バーン・クルア 凶愛の家】(2023)

【あらすじ】
一軒家を貸し出した夫婦の周囲で、不可解な出来事が続発。やがて妻は、借主と夫の間に隠された不気味な秘密へと近づいていく。
恐怖 ★★★★★★☆☆☆☆
エンタメ ★★★★★★★☆☆☆
グロ ★★★☆☆☆☆☆☆☆
- 監督が実際に耳にした2つの事件から着想を得たタイ発の呪術ホラー。家族ドラマとカルト的な儀式を絡めた、近年型のオカルト作品。
- 怪しそうな人は序盤からしっかり怪しく、行動まで分かりやすく不穏。儀式・呪術系ホラーらしい“イヤ〜な空気”をじわじわ積み重ねる。
- しかし、「実はこうだった」と真相が見えたと思ったら、さらにその裏がある。大どんでん返しではないものの、何度も見方をひっくり返す構成が特徴。
- 2026年9月現在、なぜかNetflixでは『邪厄の家』という別タイトルで配信中。検索するときは注意。
♦︎ 香港|心霊から極悪カルトまで ♦︎
【the EYE アイ】(1996)

【あらすじ】(香港/タイ合作)
幼い頃に視力を失ったマンは、角膜移植によって再び見えるように。ところが手術後から、周囲にいるはずのない“何か”まで見えるようになっていく。
恐怖 ★★★★★★★★☆☆
エンタメ ★★★★★★★★☆☆
グロ ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
- 2000年代のアジアホラーを代表するヒット作で、続編2本&ハリウッドリメイクも。パン兄弟は後に『ゴースト・ハウス』でも興行的に成功を収めた。
- 角膜移植をきっかけに、日常のあらゆる場所が恐怖スポットへ変貌。なかでも真昼間の飲食店に現れる“あの女”のビジュアルは強烈…(;ω;)
- 中盤で”ある事実”が判明してからは、なぜ怪異が起きるのかを辿るミステリーへ。さらに終盤は予想外の大スケール展開まで飛び出し、見応え十分。
- そしてラストが、完全なハッピーでもバッドでもない、苦さを残しつつ妙に納得させる着地に、20年以上前とは思えない余裕を感じる…。
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【八仙飯店之人肉饅頭】(1993)

【あらすじ】R18相当
マカオで食堂を営む男が失踪し、店を引き継いだウォンの周囲で不可解な事件が続発。やがて警察は、店に隠されたおぞましい秘密へ迫っていく。
恐怖 ★★★★★★☆☆☆☆
エンタメ ★★★★★★☆☆☆☆
グロ ★★★★★★★★★★
- 実在の猟奇事件を基にした90年代香港のカルト作。主演アンソニー・ウォン本人はこの手の映画が大嫌いなのに、まさかの香港版アカデミー賞で主演男優賞を受賞。
- タイトルほど全編ド直球ゴアではなく、決定的瞬間を陰やカットでかわす場面も。ただし後半はしっかり容赦なしなので要注意。
- 何よりキツいのが子どもたちの恐怖。いやコレ、本気で泣いてるよね!?と心配になるほど生々しく、グロ以上に子どもたちのメンタル面が心配…。
- 残虐一辺倒かと思いきや、警察パートはなぜかほぼコント。しかも絶妙に笑えないギャグを差し込んでくるため、完全にナニ得演出(・ω・)
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【エボラシンドローム】(1996)

【あらすじ】R18
殺人を犯してアフリカ某国へ逃亡した男が、現地でエボラウイルスに感染。帰国後も凶行を重ね、周囲に恐怖と感染をまき散らしていく。
恐怖 ★★★★★★☆☆☆☆
エンタメ ★★★★★★★☆☆☆
グロ ★★★★★★★★★☆
- 『八仙飯店之人肉饅頭』のハーマン・ヤウ監督 × アンソニー・ウォンが再び暴走。前作に続き、またしても極悪カルト映画へ駆り出されたウォン氏。
- 性欲と悪意しかないクズ男がエボラに感染!しかも“1000万人に1人”の抗体持ちという奇跡を引き当て、まさかの歩く感染源として無双開始(・ω・)
- グロ以前に、とにかく汚いw!主人公から食べ物、空気感まで全編なんだかベタベタして見える不潔さで、個人的には残酷描写よりこっちが無理でした…。
- もちろん血みどろ描写もしっかり搭載。それ以上に驚くのが、こんな極悪映画が今やサブスクで見放題という事実。いや逆になんでw
♦︎ インドネシア|呪いと家族の恐怖 ♦︎
【悪魔の奴隷】(2017)

【あらすじ】
長い闘病の末に母を亡くした一家。ところが葬儀後、家では不可解な現象が相次ぎ、やがて家族に隠された恐ろしい秘密が浮かび上がっていく。
恐怖 ★★★★★★★☆☆☆
エンタメ ★★★★★★☆☆☆☆
グロ ★★★★☆☆☆☆☆☆
- 1980年のカルト作『夜霧のジョギジョギモンスター』をリメイク。本国では約420万人を動員し、2017年最大級のヒット作に。
- 古びた洋館の雰囲気は抜群で、『死霊館』を思わせる王道演出から不意打ちの仕掛けまで恐怖バリエが豊富。見覚えある怖さと新鮮さが同居。
- 亡き母らしき怪異の正体や一家に隠された秘密は一応明かされるものの、物語はそこで完結せず。続編でさらに背景が広がるシリーズ構成。
- 白塗りの“母”は本国でまさかのミーム化。インドネシアで2017年に話題となったネットネタにも選ばれ、ヴァラクばりにイジられる人気者にw

