【遺体 明日への十日間】演技ではない、まさに『西田敏行』【ネタバレなし】

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(C)2013フジテレビジョン

西田敏行さんの突然の訃報にはとても驚きました…。日本を代表する俳優であり、エンタメ好きならば彼の作品を避けては通れないでしょう。私も西田さんの映画は何本も見ているのですが、昨年鑑賞し心に残っているこちらの作品のレビューをしたいと思います。今朝、情報番組でも取り上げられていて、思い出してまた泣けそうでした…。

作品データ

【製作年度】2012年
【製作国】日本
【上映時間】105分
【監督】君塚良一
【キャスト】西田敏行、佐藤浩一、國村隼 ほか
【鑑賞方法】U-NEXT、Amazonプライムビデオ など
(鑑賞時にご確認ください)

あらすじ

東日本大震災直後の遺体安置所での出来事を、西田敏行主演、君塚良一監督で描いた人間ドラマ。震災直後の混乱のなか、次々と運ばれてくる多くの遺体に戸惑いながらも、被災者である釜石市民の医師や歯科医たちが、犠牲者を一刻も早く家族と再会させてあげたいという思いから、遺体の搬送や検視、DNA採取や身元確認などのつらい作業にあたる姿が描かれる。(映画.comより)

年齢制限は?

年齢制限はないので、どなたでもご覧になれます。凄惨な描写などはありませんが、作り物の遺体などは映りこむのでご注意を…。

レビュー ( 2023・07・07 )

1、演技ではない、まさに『西田敏行』

(C)2013フジテレビジョン

福島第一原発事故を扱ったNetflixのオリジナルドラマ『THE DAYS』を見て、他に震災関連の作品を調べて知った本作。震災の翌年に、こんな作品が作られていたことを初めて知りました。西田敏行をはじめ、國村隼、佐藤浩一、柳葉敏郎、緒形直人などかなりの豪華キャストだというのに…。

震災直後の遺体安置所での出来事を、役場の職員や医師などの視点から描いた人間ドラマ。民生委員の相葉(西田敏行)は火葬場職員だった過去があるので、遺族の心労を和らげてあげたいという思いでボランティアに参加する

とにかく西田敏行がハマり役で、優しく遺体に話しかける様子は到底演技とは思えず、まさに『西田敏行』。ご遺体の家族構成などを聞き、まるで知り合いだったかのように振る舞う。亡くなっている人にではなく、まるで生きている人に話しかける口調なんですよね。彼のやりとりには、遺族も思わず涙する…。

2、テレビではあまり報道されなかった、裏側

(C)2013フジテレビジョン

しかしなんと言っても、震災によって火葬場が機能していないので遺体は次々と増えていくばかり…。遺体が傷んでいってしまう問題なども発生し、表にはあまり出ていなかった現実も初めて知りました。他府県にも要請し、なんとか窮地は脱したように見えましたが…。

少し注意なのは、作り物とはいえリアルな遺体も多数映るので私もこたえました…。なかには子供や妊婦さんなど…。実際に現場で関わっていた人達がPTSDになってしまうであろうことは、容易に想像が出来ました…

相葉(西田敏行)はもちろん、遺体安置所で必死に働く関係者自身も被災者で疲労困憊こんぱいの中、次々と遺体を運び、身体の特徴を調べ、現場を綺麗に掃除し、遺族をねぎらう…。テレビではあまり報道されなかったように思うのですが(ドキュメンタリーでは取り上げられていたかも)彼らを称えるのは映画という媒体だけなのでしょうか…。

見るタイミングを選ぶとは思いますが、多くの方に知ってもらいたい作品です。

映画とは関係ありませんが、今後起きると言われている大災害のことを考えたら恐ろしくなりました…。東北の人口でも大混乱だというのに、大都市だと一体どうなってしまうのでしょう…。そんなことも思わずにはいられない作品でした。



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