
『…ん?ヴィンセント一体どしたw?』とツッコミたくなるこのタイトル。目が合うと襲われるというシャマラン作品を思わせるような設定にもワクワク。不条理スリラーらしい理不尽なサバイバル展開に、前半はぐいぐい引き込まれました。…が、後半である事実が判明。「え、ヴィンセントだけじゃないの??」あくまで“彼だけが襲われる”という謎設定が、この映画の特権であり旨味だと思っていたので、そこが崩れてしまったのが正直かなり残念でした。
作品データ
【製作年度】2023年
【製作国】フランス
【上映時間】109分
【監督】ステファン・カスタン
【キャスト】カリム・ルクルー
ビマーラ・ポンス ほか
あらすじ
ある日突然、目が合っただけで襲われるようになってしまった男の決死のサバイバルを描いたフランス製不条理スリラー。ある日、ヴィンセントは職場で別々の同僚から立て続けに襲われる。襲った相手にはその時の記憶がなく、ヴィンセント側の問題ではないかと疑われるが…。(allcinemaより)
年齢制限は?
年齢制限はないので、どなたもご覧になれます。
どこで見れる?
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Amazon プライム | ー | ● |
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レビュー ( 2024・12・24 )
1、フランス産不条理スリラー
あまりに大好物な設定に、本作の存在を知り大歓喜。
不条理スリラーというと、最近では『ボーはおそれている』や『ドリーム・シナリオ』、邦画でも『Cloud クラウド』がありましたが、本作はフランス産。
理由もなく突然主人公に襲いかかる悲劇をブラックユーモアで描くことが多い不条理劇ですが、本作はユーモア要素をほぼ排除したスリラーとして描かれています。
主人公には知名度の低い俳優を使ったことにより、パニックやエンタメというより彼の生活の一部というようなリアリティも感じられました(前半は)。
2、『はじまり』はかなり怖い…

ある日仕事をしていると、突然研修生に襲われるヴィンセント。
目の前までツカツカ歩いてきたかと思うと、パソコンを振りかざし、思いっきり殴られる!!
そして2人目の”加害者”は、突然ヴィンセントの腕をペンでメッタ刺し!!
しかも、2人とも『襲っている』ときの記憶がないと言う。もちろん、ヴィンセントにはなんの恨みもない。
…いやぁちょっと見たことのない『始まり』のインパクトは抜群で、思わず手で口を押さえました(・ω・)
何の予兆もない上に襲っている側にはなんの感情も入っていないというのが、無機質で本当に怖いんです…。
その後、さすがに職場で仕事は出来ないということで、リモートワークを命じられるヴィンセントですが。
そこからも大変だった…。
少し買い物に行こうにも命がけ(ここは『ボーはおそれている』に似てますね)。
※ここから先はネタバレありで語ります。
未見の方はこちらから視聴できます◎
記事の最後にまとめてあります
3、目が合うと、襲われる

(C)2023 – Capricci Production
そしてどうやら『自分と目が合う』と、相手が襲ってくることが判明する。
一体、誰が、襲ってくる『ソレ』なのか分からない恐怖は、これまた私の大好きな『イット・フォローズ』にも通ずるところがあるんですよね。
見た目は『普通の人間』が、突如タガがはずれたように襲ってくる描写の恐ろしいこと…。やっぱり、異形系ホラーはサイコーです(・ω・)
そしてなんと、自分と同じ境遇の男性に出会うヴィンセント。…こんな目に遭っているのは彼だけではなかったんですね!?
他にも仲間がいるらしく、ネットでは生き抜くための仲間のコミュニティがあり、情報を共有していると。犬は襲ってくる人間を嗅ぎ分けられるから、犬を飼えとアドバイスされます。
そのうち、ヴィンセントと目が合った者たちはほぼ百発百中で彼を襲い始め、目が合っているのか分からないくらい遠くの距離からでも襲ってくる。ビーチで、家族全員が一斉にこちらに向かって走り始める怖さ(!)
この辺はもうワックワクで、これは当たったと確信していたのに…物語の後半。
4、ヴィンセントだけでいい!笑

車で避難してきた町で、食事のテイクアウトを頼んだ店のウエイトレス”マルゴー”といい感じになり、後半はほぼ彼女と行動を共にすることに…。
やはりマルゴーにも襲われるヴィンセントですが、一晩経ったら目が合っても襲ってこなくなったことから、襲うのは1人1回までなのか?…という仮説も立ったのですが。もう1度襲われたりもしますw
そしてここまでくると、巷でも無差別の暴力事件が横行し始め、世界はカオス状態に…。
あぁ、いけない感じの風呂敷を広げ始めてしまった…(;ω;)
あくまで、ヴィンセントだけが襲われるという希少性が面白かったのに、こうなるとミステリーとしての面白みはなくなり、いわゆるありがちな感染パニック映画に。
これだけ蔓延したとなると、原因はやはりなんらかのウイルスか、何かの条件が満たされたことによって起きた現象なのか…。
それこそ最近の映画は、ある事象が起きた原因が分からないことのほうが多いので、面白ければそれでいいのですが。
5、惜しいけれどそれなりには楽しめた

(C)2023 – Capricci Production
本作の場合はやっぱりヴィンセントが酷い目に遭うというのがコンセプトでもあったと思うので、話の趣旨が逸れてしまった残念さがありました。あらすじにも『目が合っただけで襲われるようになってしまった男の決死のサバイバル』ってあるのに…笑
しかも今度は、ヴィンセントのほうが女性を襲ってしまうという逆転現象。もちろんその理由も判明せず『ヴィンセントが襲われ、襲う』に。
原題は『Vincent doit mourir』=『ヴィンセントは死ななければならない』?ということで、原題にもヴィンセントの名前は入っているんですね。
そうしてヴィンセントが目隠しをして、2人は船でどこかへ逃げるというエンディング。
うーん、惜しいなぁ…!?前半はとても良かったので、あのテイストのままもう少し何かが欲しかった!フランススリラーというのも新しかったし、雰囲気も良かったんですけどね。
…あと、肥溜めファイトは直視できなかった…(;ω;)
思わず笑ってしまう(!?)こちらも不条理を描いた2本!


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