映画【ルックバック】小6とは思えぬ喜び方の表現力【ネタバレ】

ルックバック
(C)藤本タツキ/集英社 
(C)2024「ルックバック」製作委員会

公開時からとにかく評判が良くとても気になっていたのですが、ようやく見ることが出来ました! 似たようなタッチのアニメはこれまでにあまり見たことがなく、実写のような生命力と躍動感、そして表現力には驚きました。…あんな喜び方、小6でする…!?笑

作品データ

【製作年度】2024年
【製作国】日本
【上映時間】58分
【監督】押山清高
【声のキャスト】河合優実、吉田美月喜
【鑑賞方法】Amazonプライム
(鑑賞時にご確認ください)

あらすじ

学年新聞で4コマ漫画を連載し、漫画に対して絶対の自信を持っている小学4年生の少女・藤野。しかし、学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にして画力の差を痛感する。一度は漫画を描くことを諦めた藤野は、小学校卒業の日に初めて対面した京本と交流するようになり、ついには共同で漫画を描くようになるのだったが…。(allcinemaより)

年齢制限は?

年齢制限はないので、どなたもご覧になれます。

レビュー ( 2024・11・09 )

1、ストーリーは王道の青春もの

この時点ですでに泣いてました…
((C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会)

これほどまでの高評価に、一体どのような物語なのだろう!?とかなりハードルを上げての鑑賞となったのですが、正直なところ、ストーリーはわりと王道の青春物語でした

ちなみに『王道』と似た意味で『ベタ』もありますが、『ベタ』はあまり考えられていない安直な印象を受けるのに対し、『王道』は正統派だが計算されている感じがします。そういう意味では本作は王道です。

確かにひねりがあるようなストーリー展開はなかったですし、ifの世界線も、最近こういう描き方は結構あったります。そしてやはり、愛着のあるキャラクターが死んでしまったらそりゃ泣くよね…という。でもまぁ…しっかりと泣くんですけどね(・ω・)

藤野が描くマンガが、若い女子が描きそうもない題材なのがこれまた面白く『セミ人間』『シャークキック』など、生き物系多数。『セミ人間』はマジで気になります笑

2、傑作にまで持っていける表現力

((C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会)

正直、ストーリーとしてはオーソドックスな分、画の表現力で評価されているところは大きい作品かもしれません。しかし逆に言えば、の表現で傑作にまで持っていけるほどのレベルが本作にはあると思います

最近のアニメって、キレイだけれど〇〇の絵に似てるなぁというのも多いのですが、本作の絵のタッチは私はあまり見たことがなかったです。そして全編に渡る、実写のような生命力と躍動感

最初に驚かされたのは、藤野が初めて京本と対面した日の雨の帰り道。藤野の喜びをあんな風に表現するんだ…という表現の仕方にビックリ。

小6なんてまだまだ子供だというのに、ウェーイ☆じゃないんですよね(・ω・)笑顔を封印しつつも、抑えていた感情が徐々に大きくなり、水溜まりを手で散らしながら喜びを噛み締める…この時点で、あ…これちょっと凄い…と。ここはむしろ、実写では表現出来ないですね。

3、『京本』というキャラクター

本当は嬉しいくせに…笑
((C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会)

そして本作、京本のキャラクターの貢献度がかなり大きいかと…笑。可愛らしくて、とても好感が持てました。引きこもっていたからといって卑屈になることなく、純度100%の清らかさ。

どう見ても藤野よりも京本のほうが絵が上手いのに、自身の絵の才能には一切気づいていないのも面白い。そしてそんな藤野のことを『先生』と崇めるのも、まったくイヤミがない。話し方がなんだか『インサイドヘッド』の『カナシミ』っぽかったです笑。

2人のやり取りがとても微笑ましく、2人が初めてマンガで入賞し、コンビニで結果を覗き込むシーンですでに泣きました…。このとき、コンビニの外から2人の様子を映すのみで、2人の会話などは聞こえないんですが、なにを言ってるのかがなんとなく分かってしまうところに泣けるんです…。他にも似たようなシーンはあって、こういった表現もとても良かったです。

4、2時間で見たかった…

((C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会)

本作、なんと言っても1時間という中に物語がギュッと凝縮されているので仕方ないのですが?私としては、面白かったからこそ!2時間くらいでじっくり見たかったというのもありました…

藤野と京本の距離が縮まる過程も映像としては描かれておらず、初対面の次のシーンでは、京本が藤野の自宅で絵を描いていたので『…ん?何か見逃した…?』と思わず戻しましたが、これで合ってました笑。また、こんなに良いシーンなのに、絵のカットだけで繋いじゃうんだ…という残念さ?も。

そして、あまりに唐突に訪れた京本の死も、あともう少し何かエピソードがあれば物語としてもしっかり納得ができ、説得力も増したような気も…

それでも本作、この時間のおかげで気軽には見れそうですし(内容は気軽でもないですが)また繰り返し見たいアニメの1つになりました!

あらすじで、物語を予測できてしまう件…

人によっては、ネタバレを知っても物語を楽しめる方もいると思うのですが、大半の人はそうでない方が多いと思います。

本作の場合、いくつかの紹介サイトで『…しかしある時、すべてを打ち砕く出来事が…』とあるんです。

今回私はたまたまあらすじも読まずに鑑賞したのですが、それでなくても、見てる最中に『…なんか悪いことが起きそうだな…まさか…』なんて思っていたら、本当にその通りになったので、え…となりました笑。

あらすじを知って鑑賞した方は、予測できてしまった方もいたのではないでしょうか。

以前も言いましたが、予告やあらすじって、どこまで情報を入れるのかかなり難しい問題ですよね…



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